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「面接後のお礼メールは必要?効果ある?」
コミュニケーションの手段としてメールが一般化した現在では、以前よりも気軽にコンタクトを図る事が可能になっています。
求人の応募や問い合わせなど、就職活動においても求人サイトのメールフォームや個人のメールを使用する事が多くなっています。気軽に送る事ができるメールですが、メールにもマナーがあります。
マナーが守られていれば問題ありませんが、マナーが守られていない場合は、その内容からその人の基本スキルやマナーの有無、人柄、人間性まで判断されてしまう事があります。
それだけにメールは慎重に送る必要がありますが、それらの基本さえ守っていれば、メールはしっかりと自分をアピールする為の有効なツールになります。
面接後にお礼メールを送る事も、採用の意思をアピールする手段の一つです。就職活動の指南書や様々なサイト、転職コンサルタントのアドバイスなどでも、面接後のお礼メールを勧めるケースがあります。
ただし、中にはお礼メールは不要、効果なし。という考え方もあります。
その理由としては、採用担当者は多忙であり、
- 沢山のメールが届くと迷惑
- お礼メールを送る事が就職活動のルーチンとして捉えられ、心に響かない
- お礼メールが採否に直接影響する可能性は少ない
などが挙げられます。しかし、それらのマイナス要素をクリアすれば、効果があるという事になります。では、具体的にお礼メールのマイナス要素と対策について考えてみます。
お礼メールの考え方
①お礼メールは迷惑なのか
新卒採用を大々的に行う場合など、面接人数が多い場合、面接者全員からお礼メールが届くと確かに迷惑に感じるかもしれません。しかし、それほど多くの人数でなければ、迷惑に感じる件数にはならないでしょう。
つまり、面接人数、メールの件数によって、受け取る側の感じ方は異なります。そのため、面接の場などで、面接人数を確認しておくと良いでしょう。
②心に響かないお礼メールとは
お礼メールに限らず、心に響かないメールの特徴は何でしょう。まず挙げられるのは、気持ちが込もっていないメールです。その代表例が、定形文をそのまま使ったメールです。
文章を書く事が得意な人は多くありませんから、例文を参考にする人は多いでしょう。しかし、例文や定型文そのままの内容では、儀礼的に送っているように感じます。
例文や定形文を参考にする場合は、できるだけ面接の内容や自身の感想や考えを盛り込みましょう。
③お礼メールは採否に影響するか
お礼メールの有無や内容が採否の判定基準になるケースはほとんど無いでしょう。だからといって、採否に影響しないとは言い切れません。メールを受け取って、何も感じない人はいません。
良い悪いに関わらず、必ず何らかの感想を持ちます。人は感情の生き物と言われます。採用担当者に好印象を持たれる事は、就職活動のプラスになってもマイナスにはなりません。
また、お礼メールのタイミングや内容が良ければ、入社の意思が伝わるだけでなく、基本的なビジネスマナーを身につけている事が伝わり、プラスの評価を得る可能性もあります。
1~3に共通して言えることは、採用担当者の立ち場に立って考える事が大切です。
お礼メールが沢山送られて来たらどう感じるのか、儀礼的な内容のメールを受け取った時にどう感じるのか、適切なお礼メールを受け取った時にどう感じるのか。
これらをしっかりと考えていないから、効果の無いお礼メールを送ってしまう事になってしまうのです。
お礼メールは送らなくてもマナー違反ではありません。しかし、適切なお礼メールを送る事で、採用の確率を上げる可能性があります。
面接後のお礼メールは必要か?効果はある?の問いに対しては、「適切な」お礼メールであれば必要であり、効果はあると言えます。
お礼メールの書き方のポイント4つ
お礼メールの目的は「採用に近づける事」です。では、どのようなお礼メールを書けば、採用に近付く事ができるのでしょうか。そのポイントを挙げます。
①お礼の気持ちを伝える
面接官は面接だけが仕事ではありません。一般的には本来の担当業務を行いながら面接を行っています。つまり、面接を行う為に本来の業務のスケジュールを調整し、時間を空けているのです。
また、面接の時間にも面接官の人件費は発生しています。その他にも、面接の連絡や調整、当日の対応など、面接官以外にも様々な人が関わっています。
つまり、あなたと面接を行う為に、沢山の費用と時間を使っているのです。経営者や役職者が面接を行う場合は、更に多くの費用がかかっています。この事を忘れないようにしましょう。
もちろん、良い人材を採用する事は企業にとっても必要な事であり、面接官にとっては面接も業務の一部ですから、面接に費用と時間を使う事は当然です。
また、応募する側も準備も含めて費用と時間をかけていますから、お互い様という考え方もあります。
しかし、自分の事よりも、相手が自分に対してしてくれた事に対して感謝の気持ちを伝える事は、相手を思いやる気持ち、相手への心遣いの表れです。
お礼メールでは、面接の機会を設けてくれた事に対して、感謝の気持ちを伝える事を忘れないようにしましょう。
②意欲を伝える
転職採用の採用基準としては、学歴、職歴、スキルや経験、即戦力として期待できるか、職場の雰囲気に合っているか、など、様々な項目があります。それらと同様に重視されるのは「本人の意欲」です。
いくらスキルや経験があっても、定着しなければ意味がありません。どのような仕事でも、実際に始めてみると様々な壁にぶつかります。
それを乗り越える為に必要なのは、まず、本人の意欲、この仕事で頑張りたいという強い意思です。
採用担当者に「この人なら一生懸命頑張ってくれるだろう。」「これだけ意欲的なら活躍してくれるだろう。」「壁にぶつかっても乗り越えてくれるだろう。」そう思わせる事が大切です。
お礼メールで意欲を伝える方法としては、単純に、入社したい、頑張りたい、といった内容では伝わりません。既に面接では意欲を伝えるような回答をしているはずです。
そこで、お礼メールでは、面接によって意欲が更に高まった、○○によって入社したい気持ちがより強くなった、など、面接の内容を踏まえて意欲が更に高まったという表現が良いでしょう。
③面接の内容を補う
どれだけ準備をしていても、面接の場では緊張するものです。質問に対してスムーズに回答できなかった。緊張して上手く説明できなかった。言いたい事とは違う伝わり方をしてしまった。
など、面接を振り返って後悔する事は多いものです。それが、採用基準に関わる事、採用の判断に影響する事であれば、尚更です。そこで、面接後のお礼メールを使い、面接の内容を補う事も可能です。
本来は、面接でしっかりと伝える事が大切であり、後から補う事はできるだけ避けた方が良いものです。それでも、採用に影響するのであれば、伝えないよりは伝えたほうが良いでしょう。
お礼メールという手段は、面接の内容を補う事ができる、ミスを挽回できる手段と言えます。後から後悔しないように、採用に向けて活用できる手段はしっかりと活用しましょう。
④読みやすさを意識する
お礼メールに限らず、手紙やメールなどの文章は読みやすさが大切です。何故なら、読みにくい文章は、内容が入ってこないからです。せっかくお礼メールを送っても、それでは意味がありません。
また、読みにくいメールを送る事で、文書作成のスキルが無い、ビジネスマナーが不足しているなど、印象を悪くしてしまう可能性もあります。
では、読みやすいメールとはどのようなメールでしょうか。そのポイントは2つです。
まず、文章の基本ができている事。宛名や件名、本文、締め、などの文章の構成、行間を開ける、誤字脱字が無いなど、文章作成の基本を押さえる必要があります。
次に、簡潔な文章である事です。伝えたい事が多い場合や熱意がある場合、ついつい沢山文章を書いてしまいます。しかし、長い文章は読むのに時間がかかりますし、一見して長文とわかると読む意欲が萎えます。
内容をよく吟味して、伝えたい事を簡潔にまとめるようにしましょう。尚、文章の読みやすさは、自分では判断できない場合があります。第三者に読んでもらい、意見を求めると良いでしょう。
お礼メールの例文
お礼メールの書き方の4つのポイントを踏まえて、お礼メールの例を挙げます。
①お礼の気持ちを伝える
お礼メールの基本とも言える、面接に対するお礼を伝える例文です。メールの書き出しで、シンプルに1行で表現します。
- 例1.「本日はご多忙の中、面接の機会をいただき、ありがとうございました。」
- 例2.「本日はお忙しい中、面接の機会を賜り、誠に有難うございました。」
簡単な文章ですが、これがあるのと無いのとでは、読み手側の印象に大きな差が出ます。必ず忘れないようにしましょう。
②意欲を伝える
お礼メールは字のとおり、面接に対するお礼が本来の目的ではありません。最大の目的は、採用される事であり、就職活動のすべての行動はそれが目的と言っても良いでしょう。
そこで大切になるのは、入社への意欲を伝えることです。そもそも、お礼メールを送るという行動自体、入社の意欲を伝える効果があります。
何故なら、わざわざメールを送るという事は、メールを送らない人よりも、積極的、意欲的に感じるからです。それに加えて、しっかりと入社の意欲を示す事で、より効果的なお礼メールになります。
- 例1.「面接を通して、貴社の社風や雰囲気を感じる事ができ、ますます貴社の一員として仕事をしたいと感じました。」
- 例2.「○○様に実際の仕事内容や仕事のやりがいについて伺うことで、より深く貴社の仕事について理解する事ができ、面接前よりも入社したいという気持ちが強くなりました。」
- 例3.「面接を通じて、貴社に入社したいという気持ちが更に強くなりました。」
③面接の内容を補う
面接後にその内容を振り返ると、言葉が足りなかった、もっと上手く伝えれば良かった、などと後悔するものです。面接は緊張するものですし、想定外の質問が来た時には上手く答えられない事もあるでしょう。
採用基準や採否に影響する重要な質問については、後から後悔しないように、面接後でもしっかりと答えたいものです。
しかし、後でいろいろと説明し過ぎると、言い訳に聞こえてしまう可能性もあります。面接の場で実力を発揮できなければ、それも自分の実力として諦める事も大切です。
そこで、お礼メールで面接の内容を補う場合は、あまり沢山の内容を詰め込まないように、ポイントを絞ると良いでしょう。また、基本的には読む側に入社の意欲が伝わるような内容にしましょう。
- 例1.「面接の場では緊張のあまり上手くご説明できませんでしたが、○○に関しては、○○と考えております。」
- 例2.「面接の際に伺いました、貴社の経営方針について、特に○○に関して、深く共感しました。」
- 例3.「御社が新たに取り組む○○に関して、面接後に私なりに調べたところ、私の○○の経験(資格)がお役に立てるのではないかと思いました。」
④読みやすさを意識する
せっかくお礼メールを送っても、読みにくい文章では効果が半減してしまいます。読みやすさの基本は、文章の基本ルールを守ることです。
また、言葉遣いや文章の基本ルールができているかどうかは、ビジネスマナーを身につけているかの判断材料になります。つまり、お礼メールも評価の対象になる場合があります。
尚、お礼メールに対して返信が来る事もあります。お礼メールを受け取った事に対する連絡や挨拶のようなビジネスマナーとしての内容であれば、返信は不要です。
しかし、質問や投げかけなど、こちらの返信を求める内容の場合は、必ず返信します。会話を途中で終わらせないよう、返信がきた場合は、内容をしっかりと確認して対応しましょう。
お礼メールの作成にあたっては、読みやすさと同時に、誤字や脱字が無い事、文章の基本ルールができているか、気を抜かないように細心の注意を払いましょう。
まとめ
最後に、これまでお伝えしてきたことを踏まえ、いくつか例をご紹介させて頂きます。
【基本パターン】
- 件名 (メールの件名に記載) 「○月○日面接のお礼(氏名)」「面接のお礼(氏名)」など。
- 宛先 (社名、部署、役職、氏名を記載)
- 本文1 挨拶文(面接へのお礼)
- 本文2 意欲を示す内容(面接を補う内容)
- 本文3 結び
- 署名 (氏名、住所、連絡先)
【例1】
人事部 部長 ○○○○ 様
本日はお忙しい中、面談の機会をいただき、ありがとうございました。
短い時間ではありましたが、私の考えをお伝えできたと思っております。
今回の面接により、改めて貴社の一員として仕事がしたいという気持ちが強くなりました。
是非とも、良いご連絡がいただける事を願っております。
末筆ながら、面接のお礼を申し上げますとともに、貴社の発展と皆様のお多幸をお祈り申し上げます。
(氏名)
(住所)〒○○○ 都道府県~番地、部屋番号まで正確に記載
(連絡先)メールアドレス、電話番号
【例2】
採用担当 ○○○○様
本日はご多忙の中、面接の機会を賜り、誠にありがとうございました。
面接の際に伺いました、貴社の経営方針について、特に○○に関して、深く共感しました。
そのような環境の中で、貴社の発展と自己の成長が実現することができれば幸甚です。
また、ご同席いただきました○○様にも、くれぐれも宜しくお伝えくださいませ。
末筆ながら、貴社の発展と皆様のお多幸をお祈り申し上げます。
(氏名)
(住所)〒○○○ 都道府県~番地、部屋番号まで正確に記載
(連絡先)メールアドレス、電話番号
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