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就職活動で最も重要なのは言うまでもなく「面接」です。新卒、転職に限らず、就職活動を行う上で必ず通る道であり、面接で採否が決まると言っても過言ではありません。
一次面接、二次面接、最終面接など、面接は複数回行うケースが一般的です。そして、面接の回数に関わらず、採否の決定は最終面接の結果で判断されます。
つまり、最終面接は就職活動の最終関門、総仕上げと言えるでしょう。また、新卒と転職では面接の準備も異なります。そこで、転職の最終面接のイロハについてまとめました。
①最終面接の合格率
最終面接の合格率については、人材エージェントやネット上の調査等で様々なデータがありますが、概ね30~70%といったところです。
一般的には、面接回数が増えるほど、合格率が上がります。一次面接の合格率が30~50%であれば、二次面接の合格率は50~70%と考えて良いでしょう。
一次面接の合格率は応募者数と採用人数によって変わりますので、当然、人気のある仕事は合格率が低くなります。二次面接以降は、何回面接を行うかによって合格率が異なります。
面接の回数に関わらず、最終面接はそれまでの面接で選考され、絞り込まれた上で行われますから、当然、合格率は高くなります。
最終面接は、それまでの面接で適性や条件等の確認が行われている事から、最終的な意思確認や人物のチェックが目的になるケースが多いです。
また、採用の最終判断を行う事から、経営者や役員が面接を行うケースも多くあります。その場合、経営者や役員が時間を割いて面接を行うのですから、採用の可能性が高いと考えて良いでしょう。
最終面接の合格率は高いのですが、そのチャンスを活かす為には、より実践的な準備が必要です。そのためには、面接の回数や面接官、採用のプロセスについて、応募時や一次面接で確認しておきましょう。
②質問例
転職の最終面接での質問例を挙げます。
【質問例1】これまの面接と同じ質問
最終面接の質問については、誰が面接を行うかによって異なりますが、前回と違う面接官が行う場合は、前回と同じ質問をされる可能性が大きくなります。そこで大切なのは、回答がブレない事、回答に一貫性がある事です。
一般的には、面接内容は面接終了後、社内の関係者に報告されます。つまり、面接官が変わっても、これまでの面接の情報が共有されていると考えておきましょう。
その上で、同じ質問をするのは、伝聞では無く本人から直接考えを聞きたい場合、回答や考え方に一貫性があるのかを確認したい場合、これまでめ面接内容を把握していない場合、などがあります。
いずれにしても、同じ質問であっても、面倒がらずに、初めて質問をされた時と同じように丁寧に回答する事が大切です。もちろん、前回と同じ回答で、たとえ表現が異なっても一貫性のある内容でなければなりません。
繰り返し聞かれる質問としては、「学歴と職歴」、「スキルや経験・資格」、「志望動機」など、採用の判断で重視される項目が多いでしょう。
- 「既に確認していますが、改めて、学歴と職歴(スキルや経験・資格、志望動機)をお聞かせください」
- 「なぜ、未経験なのにこの仕事を選びましたか」
- 「前職で得られた経験やスキルについて教えてください」
- 「前職の退職理由を教えてください」
【質問例2】前回の面接に関連する質問
前回と同じ面接官の場合、前回の質問に関連した質問や、より掘り下げた質問をされる場合があります。
この場合、面接官がその部分に興味を持っている、採用の判断に影響のある事項だと言えます。前回、どのような質問をされて、どのように回答したのか、しっかりと振り返りましょう。
その上で、その場では答えられなかった事、言い残した事は無かったか、そこからどのような質問が続くのか、などを考えておく必要があります。
- 「前回は○○の経験があるという事を伺いました。その経験について、もう少し詳しく教えてください」
- 「○○の資格を持っていますが、その資格を取得した目的や経緯をお聞かせください」
- 「前職では○○の仕事を担当されていますが、具体的な仕事内容について教えてください」
- 「前職の成功事例を伺いましたが、もう少し詳しく内容を教えてください」
【質問例3】入社の意思を確認する質問
最終面接は採用の最終判断を行う場です。そこで重要になるのは、入社の意欲がどれだけあるのか、本人の意思です。いくら優秀な人材でも、定着しなければ意味がありません。
実際に仕事をすると、経験の有無に関わらず様々な壁が出てきます。それを乗り越える為に必要なのは、その企業、その職場で頑張りたいという強い気持ちです。
そのため、採用の最終判断をする面接の場では、経営者や採用担当者はスキルや能力だけでなく、本人の意欲を重視します。
また、どれだけ入社の意思があるか、どれだけ真剣に考えているのかを確認する上で、他に受けている企業の有無、第一志望かどうかを質問する場合があります。
これに対しては、こちらから辞退する可能性がある場合は別ですが、入社の意思がある場合は第一志望である事をしっかりと伝えましょう。
- 「これまでの面接を通して、どのような感想を持ちましたか(入社の意思は変わりませんか)」
- 「最終面接にあたり、何か準備をされましたか」
- 「他に受けている企業はありますか」「既に内定をもらっている企業はありますか」
- 「当社は第一志望ですか」「内定を出したら必ず入社しますか」
【質問例4】
面接の最後に面接官が改めて本人に自己アピールを促す場合があります。これは意欲を確認する意味もありますが、仕事への適性や人材としての強みを再確認する目的もあります。
また、面接官は自己アピールを通して、自分自身の事を客観的に見る事ができるか、表現力、コミュニケーション力、人間性、性格など、様々な情報を得る事ができます。
性格的に自己アピールが苦手な人もいますが、その場合は無理に自分を飾る必要は無く、どれだけその仕事に対して意欲があるのか、自分の熱意を伝える事を第一に考えましょう。
転職の採用面接では、前職の経験やスキルをどのように活かす事ができるか、即戦力の人材として活躍が期待できるか、自社にメリットをもたらす人材か、などが重視されます。
既に説明済の内容であっても、最も自分がアピールしたい事を、念押しとしてしっかりと伝えましょう。
- 「入社後、どのように活躍したいですか」「将来、この会社をどのようにしていきたいですか」
- 「あなたの強みを教えてください」「あなたを採用するメリットは何だと思いますか」
- 「最後に、自己アピールをしてください」「最後に、伝えたい事(説明したい事)はありますか」
③逆質問で聞くべきこと
面接の終盤など、一通りの質疑応答を終えると、必ずと言っていいほど、逆質問を求められます。
面接の逆質問のポイントとしては、面接内容に対する不明点や疑問点の他、業務内容や給料など、自身が重要視している条件の再確認、自己アピールに繋げる質問などがあります。
【条件に関する質問】
条件に関する質問は、通常は最終面接までに確認していますが、入社にあたりこれだけは外せない、自身が最も重視している条件の再確認として、逆質問をします。
- 「人事評価の制度について、具体的に教えてください」
- 「前職の収入を維持したいと考えていますが、可能でしょうか」
- 「転勤の有無について教えてください」
- 「前職では月間○○時間の残業をしていましたが、残業の有無と実際の状況を教えてください」
- 「休日出勤は可能ですが、実際の取得状況を教えてください」
- 「○○の業務について、具体的な仕事内容、1日のタイムスケジュールについて教えてください」
- 「仕事の繁忙期はいつになりますか」「繁忙期はどのような勤務状況になりますか」
【自己アピールに繋げる質問】
逆質問で自己アピールをする場合、質問をする場ですので、直接的な自己アピールでは無く、入社の意欲を感じさせる質問を心がけます。
これは間接的で難しく感じますが、面接官があなたの入社後の姿を想像できるような質問を考えると良いでしょう。
- 「採用された場合、配属先(担当)はどこになりますか」
- 「配属先の人数や年齢などの構成を教えてください」
- 「入社後はできるだけ早く現場に馴染みたいと考えています。配属先の雰囲気を教えてください」
- 「○○の資格(経験)を活かしたいと考えていますが、具体的にはどのような場面で活かす事ができますか」
- 「入社までに準備(勉強)しておくことはありますか」
- 「仕事の進め方や守るべきルールなど、入社後の注意点はありますか」
- 「私と同じように転職した方で、活躍されている方の事例を教えてください」
- 「この仕事をする上で、私の経験や能力で足りないものがれば教えてください」
- 「体力には自信がありますが、実際の勤務時間や休日について教えてください」
【好印象を与える質問】
逆質問の内容や聞き方によって、面接官に好印象を与えたり、悪印象を与えたりします。
最終面接では経営者や役員が面接を行う場合がありますが、経営者や役員は、その企業や業務に対する愛情や思い入れが一般社員よりも強いと言えます。
これらを考えて、質問内容を考えましょう。ポイントしては、経営方針や経営環境、業績、業界など、その企業の事をしっかりと調べた上で質問する事です。
- 「○○様(面接担当者)が仕事をしていて感じる喜びや、やりがいについて教えてください」
- 「御社の○○という方針(戦略)について、今後の具体的な取り組みについて教えてください」
- 「御社の○○の取り組みに魅力を感じていますが、もし採用された場合、それに関わる事は可能でしょうか」
- 「○○という経営理念に感銘を受けました。その経営理念を決めた経緯や背景について教えてください」
④落ちる原因
最終面接は就職活動の最終段階であり、採用まであと一歩のところまで来ています。そこで落ちる原因は何でしょうか?
最終面接まで進んだという事は、学歴・経歴・経験・スキルなど、その募集に関する基本的な採用基準を満たしていると言えます。最終面接では、それ以外の採用基準が大切になります。
これは、履歴書に記載するような内容では無く、実際の性格、印象、相性、価値観、雰囲気など、感覚的な事項です。しかし、それらは職場に定着し、活躍する為には重要な事です。
【原因1】企業風土や職場の雰囲気に合っていない
企業にはそれぞれ、企業風土があります。それは経営者の理念や方針、そこで働く人達によって作られていきます。また、業界によっても職場の雰囲気は異なるでしょう。
簡単な例では、常にスピードを要求され、慌ただしくしている職場に、おっとりとした雰囲気の人やコミュニケーションが苦手な人は合わないと思われます。
採用を検討する際、よく重視されるのは、現在働いている社員やスタッフの性格、職場の雰囲気に合っているかという事です。せっかく新たな人材を採用しても、職場に馴染めなければ実力を発揮する事はできません。
職場の人間関係が上手くいかずに退職する事は珍しくありません。スキルや能力と同じくらい、企業風土や職場の雰囲気に合っている事は重視されます。
【原因2】採用の決め手がない
最終面接で採用の判断を行う為、一次面接や二次面接など最終面接の前の段階では、採用基準に合っているかを重点的に確認します。
つまり、募集条件である学歴、経歴、経験、その仕事に適したスキルや能力を持っているかが重視されるのです。
応募者が多ければ多いほど、採用担当者は迷うものです。迷ったときには、採用基準を満たしていれば、次の面接に判断を委ねます。
言い方を変えると、「これだ!」という決め手が無くても、採用基準を満たしていれば最終面接に進む可能性があります。つまり、決め手が無ければ落ちる可能性があるという事です。
それでは、採用基準を満たした上で、更に、何が採用の決め手になるのでしょうか。
これは、面接官や経営者などによっても異なりますが、決め手の一つに「期待感が持てるかどうか」が挙げられます。
期待感とは、入社後、「活躍してくれる」、「頑張ってくれる」、「成果を上げてくれる」、「壁にぶつかっても乗り越えられる」、「簡単には根を上げない」、と感じる事です。
その為には、やはりどれだけ入社の意欲を持っているか、情熱を持っているか、という事を面接を通してしっかりと伝える事が重要になります。
対策まとめ
【対策1】面接官を確認する
面接内容は、面接官によって異なります。人事担当者、経営者、役員、配属先の責任者など、それぞれの立場によって、また、前回と同じ面接官か、違う面接官かによっても、面接内容は異なります。
面接相手をイメージする事で、質問への回答や逆質問の準備がより具体的にできます。その為、最終面接の面接者が誰になるのか、事前に採用担当者に確認しておきましょう。
【対策2】これまでの面接内容を記録しておく
最終面接では、前回と同じ質問や、前回の質疑応答に関連した質問を受ける場合もあります。特に志望動機や自己アピールなど、面接の中でも重要な内容は繰り返し確認される可能性があります。
そこで重要なのは、回答に一貫性がある事、考え方にブレが無い事です。また、面接では緊張もあり、思うように対応できない事もあります。
それまでの面接で言い逃した事や、うまく伝えられなかった事があれば、最終面接でしっかりと伝えましょう。
その為にも、面接の内容はできるだけ詳しく記録に残しておきます。それによって、より具体的な準備ができます。
【対策3】自信を持って面接に臨む
最終面接の段階では、学歴、経歴、経験やスキルなどの採用基準はクリアしています。その上で、採用の最終判断を行うのです。そこで重要になるのは、「人」です。
人柄や性格など、面接で感じたあなたの印象が、採用の最終判断に大きく影響します。たとえ経験豊富でスキルが高くでも、生気が無い、自信が無い、意欲を感じない人を採用したいとは思いません。
自信を持ち、堂々とした姿勢で、面接に臨むように心がけましょう。
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