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面接の最後に、面接官から必ず言われる一言に「何か質問はありますか?」という言葉があります。
この答え方一つで、あなたの印象は大きく変わります。更に言うと、この答え方、つまり面接官への逆質問を誤ると、せっかく順調に進んできた面接を台無しにしてしまうかもしれません。
そこで、転職面接の逆質問のポイント6つについてご紹介します。
①逆質問の本質を理解する
何故、面接官は「何か質問はありますか?」と聞くのでしょうか?
これは純粋に面接での疑問点を聞くという場合もありますが、ほとんどの場合はしっかりとした目的があります。まずはそこを理解しましょう。
まず大前提として、応募する側と採用する側は対等です。つまり、応募者も面接の内容によって、当初のイメージと違う、条件が合わない、意欲わかないと感じたら、入社を辞退しても良いのです。
そのため面接官は、面接によって応募者は自社に魅力を感じてくれたのか、入社の意思が変わらないのか、入社の意欲が高まったのかを知りたいのです。
つまり、面接後の気持ちを確かめたいのです。
もしも、入社に対してネックになる事があれば、その事について質問しましょう。それが解決できれば、入社への意欲が高まりますし、面接官にとっても応募者のニーズを掴む機会になります。
また、是非、入社したいという気持ちであれば、その気持ちが伝わるようなアピールのチャンスとして、逆質問の機会を活用しましょう。
いずれにしても、全く入社の意思が無いという場合以外は、「特にありません。」という回答はしてはいけません。少しでも入社したいという意欲があるのなら、必ず何らかの質問をすべきです。
②逆質問の注意点
面接の場面では緊張するものです。面接をして、入社したいという意欲があっても、咄嗟に質問が思い浮かばない、逆質問の機会があっても活かせない事もあります。
そのため、予め質問する内容を準備しておきましょう。
準備する質問については、できるだけいろいろなパターンを想定して多めに考えておきましょう。何故なら、面接の内容や面接官の性格、その場の雰囲気によっても質問内容が変わってくるからです。
また、質問自体を準備する事も大切ですが、それ以前に大切な事があります。
それは、その会社の事をしっかりと調べる事、例えば、会社の業務内容や沿革、業績などホームページ等で公開されている情報は、しっかりと押さえておきましょう。
それに加えて、その会社の業界や関連する話題についても調べておきましょう。そして、その会社を志望した動機、自分自身のアピールポイント、職務経歴、その会社で役立つであろうスキルや経験について整理します。
要するに、質問内容を考える前に、その面接に向けた準備をしっかりと行う事です。それによって、逆質問の機会だけでなく、面接時の受け答えもスムーズになります。
何より、しっかり準備する事で、気持ちに余裕を持って面接に臨む事ができます。
その他、給料や休日、昇進昇格など、待遇面の質問に偏らない様に注意しましょう。待遇面はとても気になる事ですが、それだけに偏ってしまうと、仕事に対する価値観を疑われる場合があります。
待遇面の質問をする場合は、業務内容などいくつかの質問の中の一つとして行いましょう。
なお、逆質問の機会以外でも、面接中に積極的に質問する事も意欲を示す上では有効です。しかし、質問が多すぎたり、中身の無い質問をするのは、思考が浅いという印象を与えますので逆効果です。
面接の場では面接官からの質問をしっかりと受け止めて、まずは質問への回答をしっかりと行う事に集中しましょう。
③自己アピールにつなげる質問
面接官が面接を通して知りたい事は大きく2つあります。
まずは、その人の性格、人柄、といった人間性、次にスキルや職務経験です。この2つに基づき、自社の風土や業務に適しているか、活躍が期待できるかを判断します。
自己アピールを行う場合でも、自身の人間性とスキルをいかにアピールするかが大切です。
人間性をアピールする質問の例
- 私は粘り強い性格ですが、御社の業務では他にはどのような心構えや資質が必要になりますか?
- 私は人見知りをしない方ですが、職場の雰囲気はどのような感じですか?
- 私は体力には自信がありますが、残業や休日出勤の状況はいかがですか?
アピールできる性格、人間性としては、積極性、協調性、明るさ、責任感、我慢強さ、探究心、熱中しやすい、粘り強さ、体力、体が丈夫、などがあります。
経験やスキルをアピールする質問の例
- 私はこれまで○○の業務を行ってきましたが、御社の業務に活かす事はできますか?
- 私は○○の資格を持っていますが、御社の業務に活かす事はできますか?
- 私は○○の業界が長くそこでの知識や人脈には自信がありますが、御社の業務に活かす事はできますか?
アピールできるスキルとしては、業種の経験、業界の経験、人脈、資格などがありますが、できるだけ具体的に説明した方が説得力が増すでしょう。
まず、アピールしたい事を最初にアピールし、その後に関連する質問を続けます。この場合に大切なのは、あくまでもさりげなくアピールする事です。
また、積極性をアピールする上でも、それらの強みをこの会社で活かす事ができるか?という質問の流れが良いでしょう。
④意欲を伝える質問
面接を通して具体的な業務内容や処遇、会社の雰囲気を知ることができます。応募者は面接で知ることができた実際の内容と自分の希望や想像していた内容を比較します。
その結果、さらに入社の意欲が高まったり、逆に、辞退したいと考えたり、入社を迷う場合もあります。これを面接官の立場で考えてみましょう。
面接によって伝えた様々な情報に対し、応募者がどのように感じているのか。
具体的な話を聞いた上で、応募者に入社の意欲があるのか。面接官はこれらの事を知りたいと考えています。面接の結果、その会社に入社したいと感じる場合は、その意欲が伝わるような質問をしましょう。
入社後の姿を想定した(想定させる)質問の例
- もし採用していただいた場合、配属される部署はどこになりますか?
- もし採用していただいた場合、担当する業務はどのような内容ですか?
- もし採用していただいた場合、1日のスケジュールはどのようになりますか?
採用された時の部署や業務内容を質問する事で、入社の意欲を示します。
また、これにより自分が入社した時の姿を面接官が想像する事になり、より採用に向かって前向きに進む可能性があります。
自分と同じ年代、同じ境遇の社員に関する質問の例
- 私と同年代の方は在籍していますか?その方はどのように活躍されていますか?
- 私と同様に中途入社して活躍されている方の事例を教えて下さい
自分と同年代の社員や転職者の様子を確認することで、その人達と同様に自分も活躍したいという意欲を示します。
入社準備に関する質問の例
- もし採用していただいた場合、入社までに準備しておくことや、勉強しておく事はありますか?
- 面接を通して、私に不足していると感じられた経験やスキルはありますか?
入社後、すぐに活躍できるようにこれから努力するという姿勢を伝える事で、即戦力として働きたいという意欲を示します。
なお、このように採用後の内容を質問する場合には「もし採用していただいた場合・・・」という前置きが必要です。
採用が決定していないのに採用を前提にした質問は、印象を悪くする可能性があるため注意しましょう。
⑤聞きにくい情報を聞き出す質問
入社を検討する上で、給料や休日などの労働条件や、その業界や会社の将来性などはとても重要な事項です。しかし、これらは聞き方を間違えると、とても印象を悪くする可能性があります。
このように、聞きにくいけれど、転職する上では必ず確認しておきたい事については、特に慎重に質問しましょう。
残業や休日出勤に関する質問の例
- 私は責任感が強い方だと思っていますが、残業や休日出勤の状況はいかがですか?
- 私は体力には自信がありますが、残業や休日出勤の状況はいかがですか?
- 前職では平均して月間○○時間の残業を行っていいましたが、御社では残業は平均何時間ほどですか?
- 前職では繁忙期になるととても忙しく、それでもとてもやりがいを感じました。御社の繁忙期はいつになりますか?その時期の残業や休日出勤などはどのようになりますか?
残業や休日については、それだけをストレートに聞くのではなく、さりげなく自分のアピールポイントを入れたり、数字などの事例を入れると、面接官も質問を受け入れやすいでしょう。
給料や昇進・昇格に関する質問の例
- 私のような年齢や経歴の場合、御社での平均年収はどれくらいになりますか?
- 御社でのキャリアはゼロからのスタートですので、従来通りの金額はいただけないと自覚しておりますが、私の年齢や経歴ではどれくらいの年収になりますか?
- もし採用していただいた場合、目標の目安にしたいと思い質問しますが、御社の評価制度はどのような内容ですか?
- 前職では○○の役職でしたが、もし採用していただけたら、早く同じような役割で仕事がしたいと考えております。御社の昇進・昇格の制度はどのようなものですか?
給料や昇進・昇格についても聞きにくい事項ですが、この場合も、自己アピールや、早く活躍したい、目標に向かって努力したいという内容の前置きを入れると良いでしょう。
会社の将来性に関する質問の例
- 御社の業界について自分なりに調べましたが、とても将来性を感じました。御社が他社と比較して差別化できる点、優れている点はどのようなものですか?
- 面接を通じて御社にとても魅力を感じました。経営理念や経営方針について教えていただけませんか?
- 私は転勤や異動があっても問題ありませんが、新たな拠点の開設や事業拡大の計画はありますか?
会社の将来性についてはとても重要な事ですが、中途半端な準備、質問では逆に軽く見られてしまいます。しっかりと事前に会社や業界について学んでおきましょう。
⑥印象を悪くする質問
自分としては決して悪意は無く、前向きな気持ちで質問をしても、その聞き方や質問の内容によって、面接官の印象を悪くする場合があります。
逆質問の機会は自己アピールや意欲を示す絶好のチャンスです。せっかくのチャンスを台無しにしないように注意しましょう。
内定が前提の質問の例
- いつから出社すれば良いですか?
- ○○の商品に関する仕事を希望したいのですが、可能ですか?
- 入社後、○○の営業を担当する事ができますか?
これらの質問をする場合には、冒頭に「もし採用していただけたら、」「もし内定をいただけたとして、」という言葉を付け加えましょう。
入社後の担当業務は、実際の仕事ぶりや能力を見ながら決定する事が多く、面接の段階で確約はできないものです。まだ実力を示していない段階で担当業務の希望を伝えるのは、自信過剰や独りよがりに感じられます。
この場合は、「その為にはどのような努力が必要ですか?」という聞き方が良いでしょう。
休日や残業に関する質問の例
- 長期休暇をとることはできますか?
- 有給休暇は希望通りに取得できますか?
- ○曜日は都合が悪いので残業ができないのですが、良いでしょうか?
休日に関しては求人情報に載っている内容が基本になります。
そこから敢えて詳しく質問する場合は、「○○の理由があり、」「○○の事情があり、」など、休暇を取得する理由を挙げましょう。
また、はじめから残業ができないという制約もあまり印象が良くありません。
その場合は、休暇と同様に残業できない理由を挙げたり、残業の状況を質問して、自分に置き換えて判断するようにしましょう。
いずれにしても、休暇に関する質問はストレートに要望を伝えすぎると、仕事内容よりも休暇を重視しているという印象を与えてしまいます。
処遇に関する質問の例
- 定期昇給ではどれくらいの昇給がありますか?
- 管理職として経験を積んできましたが、相応の仕事をさせてもらえますか?
- 現在の給料は○○万円ですが、その額をもらう事は可能ですか?
給料やポジションなどの処遇については、聞きにくい質問ですが、その会社を選択する上での重要な条件でもあります。
この場合もできるだけストレートに要望を伝えすぎないように気を付けましょう。
また、中途採用の心構えとしては、初めから前職と同じ給料をもらうことは難しいと考えておきましょう。給料はあくまでも仕事の成果、実力によって決まるという事を忘れないようにしましょう。
その上で、質問する場合には、昇進・昇格のルールや給与制度、人事評価制度の内容を質問すると良いでしょう。
尚、質問そのものも大切ですが、質問のバランスも大切です。何故なら、質問はその人の興味や重視している事が現れるからです。
例えば、残業や休暇、給料や昇進・昇格などの質問が多すぎると、仕事内容よりも、労働条件や処遇を重視していると判断されてしまいます。
それらの質問も重要ですが、業務内容に関する質問をしっかりとした上で行うなど、偏らないようにバランスをとりましょう。
まとめ
転職面接の逆質問の時間は、面接の時間の中では僅かなものです。
それだけに準備を怠る人も多いものです。しかし、その僅かな時間の使い方によって、面接の印象は大きく変わります。
後で後悔しないように、しっかりと準備して臨みましょう。
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