仕事をしていると、計画通りに順調に進み、思っていた通りの結果が出ることももちろんあるでしょう。
ただ、人間のやることですから、完璧ということはなく、何かしら問題が生じる場合があります。
特に経験を積んでベテランになって来ると、つい油断して「たぶん大丈夫だろう」という気持ちが出て来ます。
しかし、気がついたら思わぬトラブルが発生していて、取り返しのつかない事態に追い込まれかねません。
その結果、お客様に迷惑をかけ、会社の業績や経営自体にもダメージが生じて、自分の信用も大きく下がるなど、誰にとってもいいことはありません。
そうならないように、リスク管理をしっかりしておく必要があります。
そこで今回は、リスクマネジメント力について、そのポイントやメリット、身に付け方をご説明していきましょう。
リスクマネジメント力とは?
リスクマネジメント力とは、ある問題が発生する確率や影響を予測して、事前の防止や事後の対処を適切に行っていくスキルです。
これは、問題の発生する確率の大小と、発生した場合の影響の大小について、それぞれ4パターンの組み合わせがあります。
それぞれのパターンごとに、事前の予防策と事後の迅速的確な対処法を考えて実行します。
例えば、発生の確率と影響がともに小さい場合としては、従業員の退職があります。
これは、事前予防策として、従業員を適切に処遇しモチベーションを維持させ、事後対処法として、退職原因を分析して従業員定着を図ることがあります。
また発生の確率と影響がともに大きい場合としては、無許可などの不正行為の頻発があります。
これは事前に法令順守体制を確立して社内に指導徹底を図ること、事後に罰金や賠償金の支払い、法令順守体制の見直しをすべきです。
これらは4パターンのうちの2つの例ですが、他の2つも含めて、とにかくリスクを的確に把握して、事前予防と事後対応を適切に行う必要があります。
どんなメリットがあるのか?
このスキルが身に付くと、トラブルを未然に防ぐことが可能になります。
また、万が一トラブルが発生したとしても、最小限のダメージにとどめられ、お客様や会社、自分に対する実害や信用低下を抑えられます。
上記の1つ目の例で言えば、普段から従業員を公平に評価し、昇格や昇給に適切に反映させていれば、従業員のやる気を維持でき、優秀な人材の退職を防げます。
また仮に退職しても、その原因を分析して対策を実行すべきです。
例えば、パワハラの横行が原因なら、その上司を処分し、職場環境を改善します。そうすれば、退職者続出という事態を回避できて、人材流出に歯止めをかけられます。
このように、リスク管理が出来ていれば、リスクが表面化するのを防ぐと同時に、発生しても事態の悪化を最小限に食い止められるのです。
どうやって身に付ければよいのか?
このスキルを高めるには、日頃からちょっとしたことでも、思い付いただけですぐに行動するのではなく、「これをやったらどういうリスクがあるか」「それをどう回避するのか」「万が一の場合どう対処するか」を考える訓練が大切です。
例えば、目的地へ電車で行こうとする場合、事故等で電車が遅れ、遅刻しかねないといったリスクを考えます。
そのうえで、バスへの乗り換えを考え、その時間を調べておくというように、遅刻を避ける方法を考えておきます。
さらに、万が一本当に電車が遅れ、遅刻しそうになった場合は、まず何分ほど遅刻しそうかについて相手にすぐ連絡を入れます。
そのうえで、調べておいたバスにすぐ乗り換えて、出来る限り早く着くようにします。
これは日常の些細なことですが、仕事でもそのようにリスクの発生とその対処法について、常に意識し行動する癖をつけておくことが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
今回はリスクマネジメント力についてご説明しましたが、少しでもお役に立ちましたでしょうか。
どのような会社にも、常に何らかのリスクはあります。
だからこそ、前述のように発生の確率と影響をしっかり把握して、予防と対処が出来る人間は、安心して仕事を任せられるということで、高く評価されます。
特に最近の世の中では、コンプライアンスの意識向上と体制確立が強く求められるので、それに貢献できる人材は重宝されます。
今回ご説明した内容を参考にして、ぜひリスクマネジメント力を向上させていってくださいね。
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