アフィリエイトで法人化の最大のメリットと言われる役員報酬ですが、実際のところはどうなのでしょうか?
役員報酬がはぜ節税できるのかというと、給料分を法人の経費にでき、個人の確定申告では給与所得控除が使えるため、ダブルで節税できるからです。
更に、家族を役員にできる場合は、更に節税が可能です。私の場合、嫁さんを役員にしているため、年間100万円程度、利益から圧縮できています。
個人事業では給与所得控除が使えないため、一見すると役員報酬はかなりのメリットがあるように思えます。
ですが、社会保険がその分高くなりますので、役員報酬だけでは個人事業より節税できるわけではありません。
役員報酬月50万円で社会保険料は月10万円以上となる
ご存知の通り、個人事業では任意継続か国保に加入していればOKでしたが、法人化すると1人社長でも社会保険に加入しなければいけません。
そして社会保険料はサラリーマンであれば会社と自分とで折半していましたが、自分の会社だと全額自分負担になります。
下記の東京都の平成29年9月以降の社会保険料をご覧ください。
個人事業主で月100万の利益であれば、高くて国民年金と国民健康保険合わせて月8万円前後だと思います。
ですが、法人化した場合、役員報酬50万円で月14万円。役員報酬100万円で月21万円です。めちゃくちゃ高いですよね?
しかも、奥さんを役員にするにしても役員報酬30万円に設定したら、月8.4万円の社会保険料がプラスされます。
役員報酬は所得税・住民税が安くなるというメリットは確かにあるのですが、それよりも社会保険料の負担が大きくなるというのが現実です。
もちろん、厚生年金に加入することで将来の年金額が国保より増えるというのは間違いありませんが、アフィリエイトの場合、そこまで長期的視点で考えれるわけではありません。
なので、利益100万円で法人化する場合は、役員報酬50万円前後がボーダーラインになると思います。プラスして、奥さんを月10万円以下の役員報酬に設定して社会保険の扶養内に収めるのがベストでしょう。
月300万円以上の利益があるという場合は、話が変わってきますけどね。
よって、役員報酬だけでは、必ずしも個人事業より節税できるわけではないというわけです。家族を役員にするのは、個人事業でも専従者給与があるのでできますしね。
小規模企業共済とiDeCoは減額してもいいかもしれない
個人事業では小規模企業共済は月7万、iDeCoは月6.8万円で加入できましたが、法人化した場合、iDeCoは月2.3万になります。
役員報酬が月50万円程度であれば、個人の所得も減るわけですからマックス掛けてもそこまでの節税メリットはありません。
なので、小規模企業共済は減額して法人化でしか使えないセーフティ共済に加入する方が節税面では効果的です。
役員報酬が100万円ではなく50万円であれば、当然、法人に残る利益が多くなるので、セーフティ共済や生命保険で法人の利益を圧縮していくしかないですからね。
これについては、法人化した後の年度終わりの利益次第でどうするかを考えればOKです。セーフティ共済も小規模企業共済と同様に前納制度がありますからね。
まとめ
役員報酬があるから法人化で節税できるわけでは決してありません。
それに、役員報酬には事業年度開始から3ヶ月以内に役員報酬額を決定しなければいけないという、大きなデメリットもあります。しかも、一度決めたら、原則変更はできません。
なので、年度開始から3ヶ月でその年のアフィリ報酬の見通しを立てなければいけません。これが非常に難しいです。
よって、月100万利益が確保できたからといって、すぐに法人化する必要は決してないということです。
個人事業主は、小規模企業共済・iDeCoで月14万円の節税。更に、社会保険が法人化と比べて安いというメリットがありますからね。それに、税理士の費用も不要です。
あせりは禁物ですよ。
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