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世の中には、いわゆるブラック企業とホワイト企業があります。
これらは、労働時間や休日の実態、仕事の仕方、職場の雰囲気など様々な面に着目して企業を分類したものであり、前者はそれらが劣悪な企業、後者は優良企業と言えます。
新卒でも中途でも、職探しの際は、当然ブラック企業は避けて優良企業に入りたいものです。ただ、その違いを見極めるのは難しいでしょう。働いた経験のない学生ならなおさらです。
ですが、現在は昔と違い、インターネットを含めて様々な情報収集の手段が確立しています。また、インターネット以外のリアルな方法でも、工夫すれば情報を得ることはある程度可能です。
そこで今回は、特に優良企業の見分け方を7つご紹介しましょう。ブラック企業との違いを意識すれば、見分け方のイメージが湧きやすくなります。
実際の職探しで参考にしてくださいね。
①情報収集の方法
優良企業の見分け方のポイントを具体的にご説明する前に、そのポイントに関する情報をどこから収集するのか、まとめておきましょう。
職探しの流れに沿って考えると、イメージしやすくなります。
志望先を検討する段階では、求人要項を見るはずです。求人雑誌や求人サイト、企業のホームページなど、募集条件が掲載された媒体があります。そこから必要な情報をチェックしましょう。
また、インターネットのサイト上で、就職や転職に関する口コミサイトもあります。一定の企業について、働きやすい環境か否か、元従業員などによる口コミ情報が載っているので、一つの参考になります。
さらに、志望先に勤めていた知人がいたり、そういう人を紹介してもらえたりしたら、直接話が聞けます。そうでなくても、人材紹介会社やハローワークを通していれば、担当者から情報を得ることもできます。
なお、会社の中には多数向けの説明会を開催している所もあります。そこに出向いて、社員の説明や質疑応答、パンフレットなどの資料入手を通じて、直に確認することも可能です。
これらをするだけでも、かなり情報は得られます。
ただ、それでも不安なら、差し障りのない時間帯や場所を選んで、志望先のオフィス付近にまで出向いて、会社や社員の様子をうかがうこともしてみましょう。
実際に応募して書類通過した後の、面接の段階も重要です。優良企業か否かに関わるポイントについて、待ち時間に社内の様子を見たり、面接時に面接官に直接質問したりして、確認することができます。
このように、必要な情報を得る手段は結構たくさんあるものです。後悔のないように、これらを通じて出来る限り判断材料を得ておきましょう。
②事業内容にオリジナリティがある
上記の情報収集手段を使って、何に注目して優良企業を見分けていくのか、ここから具体的にご説明します。
まず、志望先の事業内容に着目してみましょう。
例えば、外食産業などのようによくあるビジネスの場合、その会社ならではのオリジナリティを出すのは難しくなります。そうなると、同業他社との競争が激しくなり、儲けも出しづらくなります。
その結果、従業員にしわ寄せが行きます。サービス残業や名ばかり店長をはじめとして、違法あるいは不当な労働環境がまかり通り、従業員は心身ともに疲弊してしまいます。
その点、業界自体が新しく、しかもその会社独自のビジネスモデルを構築している会社なら、競争も激しくない中で高い利益率を確保できます。そのため、経営面でゆとりがあり、従業員を酷使せずに済むわけです。
また、そういう独創性の高い事業を行おうとしたら、従業員が働きやすい環境を整備して、何の不安もなく仕事に思い切り専念してもらう必要があります。
そのため、労働環境も自ずとよくせざるを得ません。
このように、その会社の事業内容を見極めて、オリジナリティが高いと判断できれば、優良企業である可能性が高くなります。
③採用に慎重である
採用活動をどうするかには、企業の人材に対する姿勢が如実に表れます。
いわゆるブラック企業の場合は、劣悪な労働環境のため、従業員がすぐに辞めてしまうので、その補充に向けて頻繁に多数採用しなければなりません。
また、とりあえず頭数を揃えて、辞めたらまた確保すればいいと考えがちです。
その結果、採用のハードルは低くなり、採用にかける時間と労力、コストも少なくなってしまいます。
その点優良企業の場合、従業員満足度の高い良好な労働環境なので、従業員の定着率が比較的高くなります。そのため、採用の人数や機会も限定的になります。
求人サイトで募集を見かけること自体少ないでしょう。
また、前述のように独自性の高い事業を行っている場合が多いため、それに貢献できる人材をよく見極める必要があります。その結果、採用の条件は厳しくなり、面接回数が増える等、採用プロセスも丁寧になります。
求人の頻度がどの程度かを知るためには、普段から求人サイトなどを目にしておく必要があります。また、採用プロセスなどは、実際に志望先の募集要項を確認しなければなりません。
以上の通り、採用活動に慎重であれば、優良企業である確率が高いと言えます。
その点をふまえ、求人募集の頻度や採用プロセスなどをよくチェックしておくことが大切です。
④労働時間や休日の管理がしっかりしている
上記のように慎重に採用するだけでなく、その後従業員の労働時間や休日などの管理が適切に出来ているかも、企業が人材を大切にしているかを見極める重要なポイントになります。
ブラック企業の場合、例えばオーナー社長の影響力が強すぎて、従業員がその意向に振り回される恐れがあります。
あるいは、中間管理職が社長の意向を無視して、現場で過剰に影響力を行使しているケースもあります。
その場合、長時間労働が当たり前になり、サービス残業を強いられ、休日出勤や持ち帰りの仕事なども常態化しかねません。
それに対して文句を言おうものなら、嫌がらせを含むハラスメントに遭う恐れがあります。
もちろん、それに対する会社としてのチェック機能も果たされず、労基署などの指導も何とかして免れようとしかねません。
一方優良企業の場合、組織としてのマネジメント体制が確立しています。
法律や就業規則にのっとり、現場の事情も考慮しながら、上司が部下の労働時間や休日の管理をしっかり行っています。
さらに、そうしたマネジメントが出来ているか、上司に対する人事評価等を通じて、会社としてもチェックするシステムが整っています。
こうして、従業員が働きやすい環境を整備しようとしているのです。
この点は、例えば夜遅くに志望先のオフィスに出向いて、電気がついていないか、つまり遅くまで残業していないかなど、チェックする方法があります。
これは一例ですが、いずれにせよ、前述の情報収集手段を尽くして確認してみましょう。
⑤年収が標準的なレベルである
従業員に対し、適切な額で給料を支払っているかは、当然ですが極めて重要です。
従業員にとっては生活がかかっているだけでなく、納得してモチベーションを高く維持しつつ仕事をすることにもかかっているからです。
その点ブラック企業の場合、従業員を人件費のコストとしてしか見ず、基本給を出来る限り低く抑え、昇給も遅くしたりそもそも認めなかったりします。
残業代もみなしの固定にして、一定額以上は支払わないなど問題があります。
さらにボーナスも渋り、その結果全体としての年収は低くなります。同業種や同規模の他社と比べても下回るケースが多くなるでしょう。
一方優良企業の場合、従業員は単に人材としてだけでなく、財産という意味での「人財」と考えます。
独創性の高いビジネスを維持していくために欠かせない存在として、仕事ぶりを適切に評価し、納得してもらえる給料を支払います。
さらに会社や個人の業績に応じて、ボーナスもしっかり支給します。その結果、少なくとも他社と同等の標準的なレベルか、あるいはそれ以上の水準で、従業員は年収を確保できます。
このように、年収が適切か否かは、業種別や規模別、職種別などの賃金のデータをネットなどでチェックすればわかります。
また、同じ業種や職種で転職するケースなら、自分の経験に照らしてもわかるでしょう。
いずれにせよ、前述のような様々な情報収集手段を尽くして、妥当な給料をもらえそうなのかを判断しましょう。
⑥福利厚生が充実している
適切な額で給料が支払われるかはもちろん重要ですが、他社に比べて優良な企業と言われるためには、それ以上の福利厚生が充実している必要があります。
従業員に言われるまでもなく、会社の方から手厚い保障をするということです。
ブラック企業の場合、そもそも従業員を使い捨てのコマとしか考えていないため、最低限の保障すらしない場合が多いです。よって、それ以上の福利厚生など当然行わないでしょう。
その点上記のように、優良企業は従業員を「人財」という財産として高く評価します。
だからこそ、最低限の保障にとどまらず、従業員が引き続きこの会社で気持ちよく働きたいと思ってくれるように、様々な保障をするのです。
例えば、法律で定められている以上に休暇を付与します。勤続10年で1か月休暇、バースデー休暇、リフレッシュ休暇など、様々な名目で休暇を認め、心身の疲れを取ってもらいます。
また、仕事と育児・介護の両立をしやすくするために、雇用形態や勤務時間を柔軟に変更できるようにしたり、休業するにしても復職しやすい環境を整備したりします。
さらに、残業手当など法定のもの以外にも、各種手当を用意することもあります。子供が増えるごとに子供手当を出したり、家賃支払いの一部を支援する住宅手当を付けたりなど様々です。
他にも、保養施設を保有して、定期的に会社全体で慰安旅行をしたりする場合もあるでしょう。
いずれにせよ、従業員の立場に立って、会社の方から積極的に福利厚生の充実を図っている所は、優良企業と言えます。
⑦教育研修制度が整っている
従業員を「人財」だと考えていることの表れとして、優良企業では教育研修制度に力を入れているケースが多いです。従業員をほったらかしにした挙句に使い捨てるのではなく、さらなる成長を遂げてもらうようにフォローするのです。
ブラック企業でも、教育研修に力を入れているように見える所もあります。
しかしそれは、例えば形だけのマネジメント研修をして、名ばかり管理職にさせて、過剰な負担や長時間労働を強いる恐れがあったりします。
その点優良企業では、役員、管理職、新人などと階層別に研修プログラムを組みます。
また、営業、管理、開発などと職務別にも研修プログラムを組みます。さらに、ビジネススキルや資格などの研修プログラムを用意することもあるでしょう。
そのうえで、各従業員のその時点での階層、担当職務、求められるスキルや資格などに応じて、必要な教育研修を受講してもらうようにします。
また、受講アンケートの結果をふまえて、内容の充実を図ったりします。
さらに、そうした座学の研修だけでなく、現場で上司が部下にОJTを通じて、実践的な指導をします。身近な先輩なども、困った時にフォローしてくれるでしょう。
こうした育成の風土やシステムが整っているのです。
このように優良企業では、会社をあげて従業員の教育研修をしっかり行い、その成長を促します。
それにより仕事で成果を上げてくれれば、会社の業績向上にもつながるわけですから、お互いにとってメリットがあるのです。
まとめ
優良企業か否かを見極めるためには、様々な情報収集手段を使いこなす必要があります。
求人のサイトや雑誌、インターネット上の口コミサイト、知人や人材紹介会社などの情報、会社説明会、面接での確認など、適宜うまく利用しましょう。
そのうえで、それらを使って何を判断するかですが、まず事業内容のオリジナリティがあるかです。
それがあれば、同業他社に対する競争力があるため、高い利益率を確保出来、従業員を不当に酷使しないで済むからです。
また、そのような独創性の高いビジネスをするためには、それを可能にしてくれる優秀な人材を確保しなければなりません。そこで、その点を見極めるために、優良企業では採用の条件やプロセスが厳しく慎重なものになります。
さらに、採用後も安心して働いてもらうために、職場環境を整備しています。
上司が部下の労働時間を適切に管理し、休日や休暇もしっかり取れるようにするなど、優良企業ではマネジメント体制がしっかりしています。
そして、働いた結果としての給料も、少なくとも標準的なレベル、場合によってはそれ以上の水準で、優良企業では支払われます。
それにより、従業員が安心して生計を立てられ、モチベーションを維持出来るようにするのです。
そうしたお金の面だけでなく、それ以外の様々な福利厚生も、優良企業では充実しています。法定以上の各種の休暇や手当、保養施設の利用を含め、従業員を大切にする配慮がなされています。
従業員がさらなるステップアップを図れるように、優良企業では教育研修制度も整備しています。
従業員の現状に合わせて、階層別、職務別、スキル別などの研修を受講できるようにし、現場でのОJTにも力を入れています。
以上の点が、優良企業を見分けるポイントの主なものです。冒頭で示した情報収集手段を用いて、ブラック企業を避け、優良企業を見極めてそこに入れるようにしてくださいね。
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