目次
転職活動をする過程では、さまざまな場面で自分と向き合うことになります。まず履歴書や職務経歴書を書く際には、職務経験や志望動機、自己PRを書く欄があります。
また面接になると、志望先の面接官から、これまでどんな仕事をしてきたのか、なぜ当社を志望したのか、これから何をしていきたいのかなど、自分のことを詳しく聞かれるでしょう。
仮に転職活動がスムーズに行って、すぐに第一志望の会社から内定をもらえれば、自分のことで深く悩む必要もありません。ところが、そのように上手く行く人はなかなかいませんよね。
何度も書類選考で落とされたり、面接まで進んでも内定まではもらえなかったりして、焦り始める場合が多いでしょう。その時、自分の強みや志向がよくわかっていないと、自分の中の軸がぶれ始め、自分を見失ってしまいます。
その結果、どこでもいいから内定が欲しいと思って、さらに焦りが生じます。そして、何の脈絡もなく応募を繰り返し、それゆえに説得力がなくなって、かえって落ち続けるという悪循環にはまります。
こうなってしまわないようにするには、とにかく自己分析をしっかり行うことが欠かせません。苦しい時こそぶれずに我慢して、志望する会社から内定をもらえるようにするには、自分のことをよくわかっている必要があるのです。
そこで今回は、転職の自己分析ができないと悩むあなたのために、転職の自己分析の方法7つをご紹介しましょう。
①これまでの職務の経験を振り返る
1つ目として、まずはこれまでの職務の経験を振り返ってみましょう。
具体的には、パソコンのエクセルソフトを使って、職務経験の一覧表を作成します。そこに、社名、会社の事業内容や規模、勤務期間、経験した仕事内容などを書き込んでいきましょう。
例えば、A社という社名、食品製造販売という事業内容、従業員500人という規模、2005年4月~2015年3月という10年の勤務期間、取引先向けの営業という仕事内容というように、具体的に記していきます。
特に仕事内容については、よく思い出して詳しく書き留めておくべきです。営業ならば、どういう取引先にどのような方法で営業を行ってきたかなどを明らかにしておく必要があります。
なお複数の会社で勤務した経験があるならば、この作業をそれぞれの会社について行っておきます。特に勤務期間が長く、濃い経験をした会社ほど、重点的にまとめておかなければなりません。
このように、社会人になってからこれまでの間に、どのような職務の経験を積んできたかを振り返ることが極めて大切です。これがしっかりできていれば、後に方針決定や自己アピールをする際に、自信を持って行えるようになります。
転職の自己分析ができないと思ったら、まずは自分の過去をよく思い出してまとめておくようにしましょう。
②そこで得た知識やスキルを把握する
次に、上記の職務経験で得た知識やスキルを把握する必要があります。
たしかに経験をすること自体は大切ですが、ただ単に経験しただけでは意味がありません。それを通じて仕事に必要な知識を身に付け、今後に生かせるさまざまなスキルを獲得することが求められます。
そこで、そのように習得したものについて、改めてまとめておきましょう。複数の会社に勤めていた場合は、勤務先ごとにまとめても構いませんが、共通する部分があればひとまとめにした方がわかりやすいでしょう。
例えば、A社で食品製造販売の営業をしていて、食品や業界に関する知識、顧客とのコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力などを身に付けてきたとします。
一方B社で食品業界専門の人材紹介コンサルタントをしていて、食品業界と人材業界の知識、登録者とのコミュニケーション能力、求人案件の提案能力を養ったとしましょう。
これらの場合、知識やスキルの面で共通する部分があります。
その場合は、会社が変わっても普遍的に通用する知識やスキルを身に付けてきたということで、転職でもよいアピール材料になるので、まとめておくと効果的です。
転職の自己分析ができないと悩まないように、経験に加えて獲得したものまで明らかにしておいてくださいね。
③上司や同僚からの高評価や受賞歴を確認する
3つ目として、上司や同僚からの高評価や受賞歴についても確認しておきましょう。
自分のことは自分がよくわかっていると思いがちですが、案外そうとは限りません。自分では気づかないよい所について、他人が見抜いて褒めてくれることもあるはずです。
例えば、仕事をしていて、上司から「君は独特の発想をするね」などと褒められたとしましょう。自分では当たり前だと思っていたことも、他人からすれば予期せぬアイデアだったりするわけです。
また、単に評価されただけでなく、何らかの賞までもらえた場合もあるかもしれません。上司に評価されただけなら、関係ない第三者には信じてもらえない恐れもありますが、賞という形なら客観的な証拠になり、説得力が出て来ます。
例えば、今までの営業のやり方を見直して、新規開拓について効率的で効果的な新手法を確立したとします。それで支社長賞などを受賞したのなら、それはいずれ自分をアピールできる好材料になるでしょう。
このように、転職の自己分析ができないと思って困ったら、自分が受けてきた高評価や受賞歴を思い出してみてくださいね。
④職場以外での自己啓発の内容を振り返る
4つ目は、職場以外での自己啓発の内容を振り返るというものです。
上記の3つは職場の中での経験や得たもの、受けてきた結果でした。ただ、その仕事をするにあたって、自分でも独自に勉強などをしてきたことがあるのではないでしょうか。
例えば、週1回退社後に、資格試験の予備校に通って、税理士の受験勉強をしてきて資格を取得し、財務の仕事に生かそうとしたかもしれません。あるいは、ビジネススクールに通って経営の仕事に役立てようとしたこともありえます。
また、異業種に勤めている学生時代の友人に会ったり、異業種交流会に参加したりして、視野を広げたかもしれません。さらに、仕事に関わるセミナーに出席して、必要な知識を得ようとしたこともあるでしょう。
このように、職場以外でも、自ら積極的に取り組んできたことで、知識や人脈に加え、主体性や積極性も向上したはずです。これらは転職でも十分アピールできる材料になります。
このように、転職の自己分析ができないと不安になったら、職場以外での出来事にも視野を広げて、自分がしてきたことを振り返りましょう。
⑤以上から自分の強みを理解する
5つ目は、自分の強みを整理して把握しましょう。
これまでお伝えしてきた中で、自分が過去にどんな職務を経験してきたか、そこでどういう知識やスキルを身に付けたか、周囲からいかに高評価や賞を得てきたか、どんな自己啓発をしたのかがわかったはずです。
ここまで分析すれば、自分がどういう人間かがかなり見えて来たでしょう。そこで、振り返る作業はいったんやめにして、今の自分にどういう強みがあるのか、アピールポイントを整理してください。
例えば、主に営業の経験が長く、人との意思の疎通や提案のスキルに長けていて、そこで上司からも高く評価されてきたとしましょう。また自分でも、社外のセミナーや交流会に参加し、人との関わりを持つ努力をしてきたとします。
そうすると、自分には営業を通じて顧客とコミュニケ―ションを図り、最適な提案をして、顧客と自社に利益をもたらす力があるとわかりますね。これこそが、今の自分が転職志望先にもアピールできる強みなのです。
自分のことを幅広く深く分析する作業は、材料集めという点でとても大切です。ただ、それをやっただけでは、結局自分はどういう人間なのかがわからないままになってしまいます。
そこで、それらをまとめ上げて、自分の本質を見極める作業をしっかりしてくださいね。そうすれば、転職の自己分析ができないと悩むこともなくなりますよ。
⑥自分が将来何を実現していきたいかを考える
6つ目は、自分が将来どういう仕事をして、何を実現していきたいのか、今後のビジョンを考えることです。
これまで見てきた5つのポイントは、過去の自分に関することでした。過去の自分を分析することで、その蓄積である現時点の自分の強みがわかったわけです。
しかし、自分の本音としては、これまでしてきたこととは全く別の仕事にチャレンジしたいと思っているかもしれません。特に、現状に不満があって、転職を機に本当にやりたいことをやろうと思うこともあるでしょう。
そこで、過去の自分のことはいったん置いておいて、今後自分は何をしたいのか、本心をさらけ出してみましょう。この段階では、誰かに言う訳でもないので、無理だと思われることでも、一切気にせずに明らかにすべきです。
例えば、独創的な発想力を生かして、新たな商品やサービスの研究開発に取り組み、世の中に大きなインパクトを与えたいと思っているとします。仮にその仕事が未経験でも、それが本音なら大切にしましょう。
なお、この本心に気づく手がかりとしては、子供の頃から好きで熱中してきたことを思い出すことがあります。また社会人になって仕事をする過程で、「こんなことができたらいいのに」などと思ったこともヒントになるはずです。
いずれにせよ、自分の志向を可能な限り明確にしておくと、転職の自己分析ができないといって困ることもなくなるでしょう。
⑦強みと志向の重なる部分を重視する
最後は、これまでの分析作業をふまえて、自分の強みと志向の重なる部分に着目し、その点を重視しましょう。
たしかに、自分の理想を実現したいと思うのは自然ですし、それができるに越したことはありません。しかし、現実はなかなか厳しく、特に中高年で未経験で転職しようと思ったら、なお難しくなります。
そこで、理想と現実の双方を見て、いい意味で妥協して接点を探ることが大切になります。言い換えれば、過去の自分の分析からわかる強みと、将来の自分の想像からわかる志向の、双方が重なる部分に着目し、そこを重視するということです。
つまり、自分の強みを最大限に生かしながら、できる限りやりたいことを実現していく道を探すのです。
例えば、営業の経験が長く、コミュニケ―ションやプレゼンテーションのスキルに長けていたとします。ただ本音としては、新商品の研究開発をして、社会に大きく貢献したいと思っているとしましょう。
その場合、強みを生かして営業の仕事をしながら、その際に顧客のニーズを把握して、商品開発の会議にも加わるという方法もあります。そこで的確で斬新なアイデアを出して認められれば、徐々に研究開発の仕事も任せてもらえるでしょう。
このように、強みと志向の接点を探して、それを生かせそうな求人を探していけば、転職活動が成功する確率が高まるはずです。転職の自己分析ができないと悩んだら、この点をよく考えてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
これまで転職の自己分析の方法7つについて、それぞれ詳しく見て来ましたが、少しでもお役に立てましたでしょうか。
当然ですが、今の自分は過去の自分と将来の自分の間にいるわけです。だからこそ、まずは過去の自分をよく分析して、何をしてきてどんなものを身に付け、いかに褒められてきたか、どんな努力や工夫を行ってきたかなどを見極めましょう。
一方で、自分の本音と向き合って、理想の未来を描いてください。幼少期に夢中になったことや、仕事を始めてから感じるようになった疑問などが、それを明らかにするヒントになるはずです。
そのうえで、過去の分析から見えて来た強みを生かしつつ、できる限り理想を実現していく方法を探しましょう。転職の時点ではそのように妥協したうえで、入社してから結果を出して、徐々に理想に近づいていけばいいのです。
転職の自己分析ができないと悩むのは、このように過去と未来の自分に徹底的に向き合う作業が足りない場合が多いのです。自分を見つめる作業はつらいこともありますが、それを乗り越えれば後悔のない転職ができるでしょう。
今回ご紹介した自己分析の方法を参考にして、自信を持って転職活動ができるようにしてくださいね。
それと、一人ではどうしても自己分析が進まないという場合は、転職エージェントを利用するのも一つですよ。プロに無料で自己分析を手伝ってもらえますからね。
まずは、あなたの市場価値を調べてみませんか?
もし、今の仕事が不満なら、ミイダスを使い転職した場合の想定年収を確かめてください。
診断後に無料登録すると、7万人の転職事例ビフォー・アフターが検索できるので、同職業の先輩の転職先も調べることができます。
辞めた後どうなる?を知ることで、今の現状を解決するヒントが掴めるはずですよ。
(診断時間は約5分です)
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。