商社に就職するために必要なもの。
多くの方は“英語力”と回答されるかと思います。
勿論、英語力は商社マンにとって大切なスキルです。
グローバルに事業拡大を進める商社にとって、英語はビジネスの基礎ともいえるからです。
しかしながら、元経験者である私から言わせますと、
実は英語力以上に大切なものがあります。
それは“広い視野”です。
ピンとこない方も多いかもしれませんが、
私からすれば英語が達者でも、視野が狭ければ商社マンには不向きと思っています。
今回はそんな、商社に就職するためには、
英語力<“広い視野”であることについてお話していきます。
①物事をゴールから考えられる能力
商社マンの一日はあっという間に過ぎていきます。
特にグローバルなビジネスに携わっておりますと、
法律・慣習等の違いから常にトラブル続き。
常にバタバタと走り回って一つ一つ問題を処理していく必要があるからです。
そのため、思い立ったらGOよりも、
主旨や目的を考えたうえで最小限の労力で動く人の方が商社マンには成功者が多いのです。
目の前の事柄に飛びつくのではなく、物事をゴールから考えて行動する。
つまり主旨・目的・リスクを“広い視野”を持って意識のうえ、
最小限で動ける能力こそ、商社マンには必要であり、そんな人が成功しているのです。
ただでさえ慌ただしい商社マン。
英語力よりも、効率的に動ける斯様な能力の方が必要であると思いませんか?
②如何なる人とも信頼関係が築ける
商社マンの仕事とは一言でいえば、まさにトータルコーディネーター。
顧客と顧客との間に入り、双方そして自分たちにメリットのあるビジネスを提案・実行することが仕事です。そのため、顧客との信頼関係構築ができなければビジネスの構築は愚か、利益もあげられません。
社内でも同様です。
貿易営業であれば、営業部門は勿論のこと、外為や審査、法務といった管理部門との連携は必須。あらゆる人たちとの信頼関係が築けていなければ、スムーズな連携は不可能なのです。折角のビジネスも遂行することは出来ないのです。
信頼関係構築に必要な能力。これこそ“広い視野”と言えるでしょう。
相手の立場に立って物事を考える。相手が求めていることを考える。
視野が広くなければ、このようなことは考えられませんね。
いくら英語が達者でも、相手のことを考えた発言・行動が取れなければ外国の方とも信頼関係を築き、ビジネスを成功させることは出来ないのです。
③固定概念に囚われない
先程も申し上げたように、商社の仕事はトータルコーディネーター。
具体的に言えば、顧客Aの求める品物を、
顧客Bより仕入れてきちんと顧客Aに届ける。これが基本形です。
しかし見方を変えれば、商社の機能は単なる仕入れ・販売・物流サポートとも言えます。
そのため、昨今では商社も商社機能を広げてきました。
その代表的な例が、付加価値を付けることです。
商社側で加工等をすることで付加価値を付けることができ、
単なるサポーターのような役割から逸脱するようになりました。
今までは顧客側で行っていたことも、商社で行ってしまおうという斯様な取り組み。
今でこそ商社業界ではメジャーですが、実は非常に斬新な取り組みなのです。
それもこれも、斯様な取り組みを始めた人に“広い視野”があったから。
従来の商社機能に囚われず、新たなことに踏み切ることができたからです。
商社業界は一見華やかそうに見えても、弱肉強食の業界。
従来の商社機能にばかり囚われていては勝ち残れないのです。
故に英語以上に、斬新なアイディアを生み出せる人の方が商社には必要な人材なのです。
まとめ
このように、商社に就職するには英語力<“広い視野”の方が必要な能力なのです。
英語が話せても、ゴールを意識し物事を効率よく考えられない、
信頼関係が築けない、新たなことが考えられない人は、商社には不要なのです。
英語力を身に付ける為に勉強に励むよりも、斯様な“広い視野”を身につけるべく行動・考え方を見直した方が、商社入社へはよっぽど近道なのですよ。
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