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何のために働くのか?誰でも一度や二度、考えた事があるでしょう。
一生懸命頑張って一息ついたとき、一生懸命頑張ったけれど成果に結びつかなかったとき、仕事にやりがいを見い出せないとき、学校を卒業して社会に出るとき、ふと考え込んでしまう時があります。
そのように悩む時には、精神的に弱っていたりネガティブになっている時が多く、自分の仕事そのものの意味を感じなくなったり、働く事そのものが虚しく感じてしまうものです。
逆に、ポジティブな時にはあまり悩む事はないでしょう。それは、仕事そのものに前向きな気持ちになっている、前向きに取り組んでいるからで、仕事に対して何らかの意味を見出している状態といえるからです。
言い換えると、働く意味を見つける事ができれば、前向きに仕事に取り組める、ポジティブな気持ちで仕事に向き合えるという事です。
何のために働くのか?働く事の意味、目的は、一つではありませんし、人によっても違うでしょう。また、人生は働く事だけが全てではありませんので、あえて意味を見つけなくても良いかもしれません。
大切なのは、自分なりの意味を見いだす事。そして、自分自身では気づかないだけで、いろいろな意味がある事を理解する事です。それにより働く事に対する意識が変わると同時に、躓いた時の立ち直りも早くなります。
悩んだ時には今よりも一歩前進するチャンスです。悩んだ時にしっかり考えて、自分なりの答えを見つける事ができれば、あなたは今よりも大きく前進できるでしょう。
1.まだ働いたことがないあなたへ
①学生と社会人の違い
卒業を間近に控えると、社内に出る事への期待と不安が高まります。社会に出るということは、自分自身で生活するということ。具体的には、自分で働いて、そのお金で生活するという事です。
もちろん、学生時代にも自分でアルバイトをして生計を立てている人もいます。しかし、同じように仕事をしてお金を稼いでも学生と社会人は大きく違います。その違いは何でしょう。
その違いは、学生という身分で仕事をしている事です。つまり、学生の本業は学業であり、アルバイトは本業ではないという事。例えアルバイトで失敗したとしても、本業である学業には基本的には関係ありません。
もちろん、学費や生活を稼がなければ学生を続けられない事もあるでしょう。しかし、その場合は別のアルバイトを探せば良いのです。本来の目的は学業ですので、アルバイトはやりたい仕事である必要もありません。
しかし、社会に出ると当然、学生という身分は無くなります。仕事をしなければ、よほどの事がない限り、自力では生活できません。また、仕事での成功や失敗が自分の将来に大きく影響します。
つまり、学生と社会人では働く事の重みが違います。しかしその重みは、決してマイナスではありません。社会には義務教育を終えたばかりの若者から、定年を過ぎても活躍する高齢者まで、様々な人たちがいます。
法律や社会的、倫理的なルールから逸脱しなければ、どのように働き、生活しても良いのです。働く事の重みは自分自身の生活や将来を背負う重みですが、その重みを背負う反面、自分自身を試すチャンスがあります。
②本音と建前
就職活動をしている時に、面接の準備をしたと思います。面接でよく聞かれる質問として「この会社を選んだ理由は何ですか?」という質問があります。
「私は以前より○○という理由で○○に関心があり、その仕事に就くことが夢でした。御社の事業内容はまさに私が望んでいた仕事です。」このような回答をする事があるでしょう。
また、「あなたにとって働くとはどういう事だと思いますか?」と聞かれる場合もあります。
私にとって働くとは「夢を実現する事です。」「人生を豊かにするためです。」「社会貢献する事です。」などなど、模範的な回答を沢山考えた経験があるでしょう。
これらは、俗に言う建前ですが、何故、そのような建前を言わなければならないのでしょうか。それは、多くの人が思い描く理想的な「働く意味」だからです。
つまり、面接では自分の理想に対して、どれだけ真剣か、どれだけ熱意を持っているか、どれだけ本気で考えているか、を見られているのです。これは面接のテクニックである程度は乗り越えられます。
しかし、本音で答えている人と、建前で答えている人との差は、実際に入社してから顕著にあらわれます。おなじ言葉であっても、その捉え方や理解が違えば、意味が全く変わります。
何のために働くのかわからなくなった時は、あなたが面接で答えるであろう建前について、どのような意味があるのか、真剣に考えてみましょう。そこにヒントが隠れている場合があります。
③経験しなければわからない
物事には好き嫌いや、向き不向きというものがあります。仕事についても、やりたい仕事とやりたくない仕事があるでしょう。まだ働いた事の無い人にとっては、特にそこが気になるところです。
場合によっては、働いている人の姿を見て、何故、あんなにつまらなさそうな仕事を、一生懸命にやるのだろう?と、不思議に思う事もあるでしょう。
お金のために働いているのかな。やりたくないけど、他に仕事がないから生活のために働いているのかな。と考える事もあるでしょう。しかし、それが正解の場合もありますが、不正解の場合もあります。
実際に経験しなければ、本当の意味や楽しさが分からない事が多くあります。働く意味についても同じです。全く興味が無かった仕事でも、実際にやってみたら楽しくなる事があります。
実際に経験してみて初めてその仕事の魅力ができたり、やりがいを見いだす事があるのです。
これは、何のために働くのか?という疑問も同じです。まだ働いた事のないあなたが、何のために働くのか?と悩むのはわかります。しかし、その答えは、働いてみて初めて実感する事かも知れません。
答えが見つからずに悩む事もあるでしょう。しかし、それによりもマイナス思考に陥るようなら、悩むことを止め、とにかく働いてみよう。とにかく経験してみよう。と、気持ちを切り替えてみましょう。
⑤成功者や経験者の本を読む
まだ働いたことのない方が、何のために働くのか?と悩むのは当然の事です。何故なら、働く事の意味については、働いている人にとっても答えを見つけにくい、永遠のテーマのようなものだからです。
ましてや、まだ働いたことのない人にとっては、余計に不安や疑問も多くなるでしょう。そこで、お勧めしたいのは、本を読むことです。
世の中には沢山の書物がありますが、経営者やビジネスで成功した人、ビジネスマンがヒントを求めて読むような経営哲学、仕事の成功事例など、仕事に関するものは多くあります。
特に、仕事で成功した人や活躍した人の本には、仕事に対する情熱、その仕事に対する面白み、仕事のやりがいについて書かれているものが多いでしょう。要するに、その人にとっての働く意味に触れる事ができます。
人生で自分自身が経験できる事はごく僅かです。本は、実際に時間をかけて、苦労して、経験しなければ得る事ができない経験談や考え方を、わずかなお金と時間で簡単に与えてくれます。
沢山の人たちの経験や考え方に触れる事は、何のために働くのか?という問いに対して、自分なりの答えを見つけるヒントを与えてくれるでしょう。
2.現在働いているあなたへ
①立ち止まってしまった理由を考える
社会に出たばかりの新入社員、ある程度の経験を積んだ中堅社員、沢山の経験を積んだ管理職、会社員だけでなく、経営者、個人事業主、などなど、誰でも、何のために働くのか?ふと考えてしまう時があるでしょう。
それぞれの仕事や経験によっても、悩むタイミングや重さが違うと思いますが、働いている中で、改めて働く意味を考えるという事は、何らかの転機になっている証です。
がむしゃらに頑張っている時や、意欲に燃えているとき、集中している時は、働く事の意味についてあまり考える事は無いでしょう。立ち止まって考えてしまったのには、理由があるはずです。
働く事が急に虚しくなった、自分の仕事の意味が見いだせない、やる気が出ない、そう考えてしまうのには、必ず何らかのきっかけがあります。
仕事が評価されない、大きなミスをしてしまった、将来に希望を見いだせない、仕事が好きになれない、仕方なく今の仕事をしている、毎日に張り合いがない、などなど、それぞれの事情により違いがあるでしょう。
何のために働くのか?という問いに対する答えは一つではありません。人によって違いますし、その状況によっても変わります。ただし、その答えによっては、これからの将来に大きな影響を与えます。
それだけに、何故、今、自分は立ち止まって考えて待ったのか、何に躓いているのか、焦らず、じっくりと向き合い、考えてみましょう。
②生活の充実
何のために働くのか?働く意味がわからず悩む状態というのは、仕事への意欲が落ちている状態と言えます。仕事の意欲が落ちている理由は、仕事のやりがいや仕事の面白みなど、仕事にあると思われがちです。
仕事を充実させるのは、仕事だけではありません。確かに人生の時間のうち、大半は仕事に費やしており、仕事の時間をいかに充実させるかは人生を豊かにする上で大切な事です。
しかし、当然ですが、人生は仕事だけではありません。趣味の時間や家族、恋人、友人と過ごす時間も人生を豊かにさせる大切な時間です。言い換えると、仕事の充実だけでは毎日は楽しくないでしょう。
生活するためには、趣味をするためには、家族を養うためには、お金が必要です。お金を得るためには、働く必要があります。生活のため、趣味のために仕事をしているという人もいるでしょう。
しかし、仕事は趣味や家族と過ごす時間よりも多くの時間を費やしますので、仕事が充実していなければ、毎日を楽しく過ごすことも難しくなるでしょう。
つまり、仕事をする時間、趣味や家族や恋人、友人との時間など、仕事以外の時間、毎日の生活を充実させるためには、それぞれのバランスが大切です。
全く趣味が無い、恋人もいない、友人もいないという人が、仕事で活躍して多くのお金を得られたとしても、心は満たされるでしょうか。何のために頑張って働いているのか虚しくなるでしょう。
働く意味がわからなくなった時には、その原因は、仕事そのものではなく、仕事以外の私生活にある場合があります。仕事以外の充実についても目を向けてみましょう。
③新しい刺激の大切さ
新入社員や転勤や転属で配属先が変わるなど、新たな仕事をスタートさせた時は、覚える事が多く、刺激が沢山あります。ところが、仕事が慣れてきたり、ある程度経験を積むと、仕事に対する刺激が減ります。
所謂マンネリというものです。そうなると仕事への好奇心や楽しさが半減してしまい、つまらなく感じてしまうものです。マンネリから脱する為には、新しい刺激が必要です。
それには、外からの刺激と、自分自身の行動や考え方を変える内からの刺激があります。
外からの刺激はタイミングもあり、なかなか得られにくいですが、例えば、人事異動や上司との面談の機会に、他の部署への異動や担当の変更を希望する手もあります。
内からの刺激は自分次第であり、いつでも行動に移せます。仕事の手順を見直したり、新たな目標を設定してみたり、関連する資格にチャレンジしたり、自分から行動できる事はいくつもあります。
ただし、マンネリに陥っている時は動くのが億劫になりがちです。そんな時には、職場の仲間を巻き込むのも良いでしょう。大切なのはマンネリにならないよう、常に仕事に刺激を求めるという姿勢です。
常に仕事に刺激がある状態であれば、必然的に働く事の意味について悩む事も減るでしょう。
④社会貢献の意味を考えてみる
経営者や成功者の話の中で、よく社会貢献という言葉が出てきます。会社の理念としても「事業を通して社会に貢献する事」を掲げているところは多いでしょう。会社の事業活動は、社会貢献が基本です。
それは、社会に求められる商品やサービスを提供できなければ、淘汰されてしまうからです。要するに、自社の商品やサービスがいくら良くても、誰も買ってくれなかったら、あなたの会社は潰れてしまいます。
言い換えると、あなたの会社が存続しているという事は、あなたの会社の事業は何らかの形で社会に貢献しているという事です。これは、自営業や個人の商売でも同じです。
しかし、会社や組織が大きくなると、目の前の仕事に追われてしまい、視野が狭くなりがちです。あなたの仕事は会社や組織にとって必要な仕事であり、必要でなければその仕事は存在しません。
あなたが一生懸命に行った仕事は、直接的にはお客様や社会に影響しないかもしれませんが、会社や組織を通して、お客様や社会に貢献しているのです。
目の前の仕事がどのようにエンドユーザーに繋がっているのか、考えてみましょう。そこに、仕事のやりがいや、働くことの意味を見いだすヒントがあるかもしれません。
⑤将来の姿を想像してみる
仕事をしていると、仕事が難しい、仕事の成果が出ない、人間関係の悩み、評価されない、などなど、辛いことや悩ましい事はいくつもあります。
仕事での不満が積み重なって、ふと、何のために働くのか?と疑問を抱く事もあります。しかし、それはあくまでも目の前の仕事や状況に対する不満です。辛く、苦しい状況では視野が狭くなるものです。
そんな時には、将来の自分の姿を想像しましょう。今の仕事が、自分のキャリアにどのように影響するのか、将来どのような自分になりたいのか、何を目指すのか、じっくりと考えてみましょう。
その将来の姿に対し、今の仕事はどのような影響があるのか。もっとポジティブに考えると、将来の自分の姿に対して、今、何をしなければならないかを考えてみます。
もっと簡単に言うと、なりたい自分の姿、手に入れたい経験やスキル、手に入れたいもの、やりたいことなどを想像して、それを手に入れるために、今、何をすべきかを考えるのです。
それが、今、何のために働くのか?の答えになる場合があります。
まとめ
何のために働くのか?その答えは一つではありません。悩んだ時に大切なのは、自分なりの意味や目的を見出す事です。
また、働く意味を考えるよりも、毎日をいかに楽しく過ごすか、いかに充実させるかを真剣に考えてみましょう。そうすることで、一日の大半を占める仕事についても、必然的に向き合う事になります。
働く事が人生の全てではなく、人生を豊かにするために働く、そう考えて、答えを探してみましょう。
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