女性で営業の仕事が辛いので辞めたいです【新卒1年目】

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男社会で働く難しさ

以下私が勤めていたこの会社をA社と記します。

私はA社で住設機器を売る営業をしていました。お客様のご家庭をまわって住宅設備の点検やよりよい使い方等も提案していました。

私が仕事を辞めたいと思った最たる理由は、自分の立場です。私はこの業界では珍しい女性の営業職でした。

しかも、A社で初めての女性営業職という立場でした。私はいわゆる出世コースに乗っていました。出る杭は打たれるではありませんが、様々な嫌がらせを受けました。

男性からの嫌がらせに精神的に摩耗していきました。特に同期からのセクハラまがいの冗談にほとほと嫌になりました。「そんなもの流せばいいよ」と言われても、気持ち悪いものは気持ち悪いのです。

真っ向から「セクハラだからやめて」と言えば「ノリが悪い」と弾かれる。かといって笑って流そうとすると調子に乗ってエスカレートする。お客さんからも何度かそういったことがありました。

服が汚れてしまった時に「拭いてあげる」と言われ「自分で拭きます」と言っても「いいからいいから」と太ももをしこたま触られました。

逃げようとしましたが商談の途中で、商談があと一歩で話がまとまるところだったので逃げるに逃げられず半ば諦めの気持ちのまま、ただ「時間が早く過ぎればいいのに」と念じていました。

悪い事は重なるといいますが、日常でもそういった男性トラブルに多々見舞われました。追い越されざまに胸をもまれる。白昼歩いている時に、知らないおじさんに髪をつかまれて引き倒される。そんなことが続きました。

仕事中にもありましたが、社内の男性も信用できず、警察にも頼れず、全て泣き寝入りをしてしまいました。心が弱っていると抵抗する気持ちも体力も削がれるうえに、おかしな人を惹きつける何かが出てくるのだと経験から学びました。

そんなぼろぼろの状態のまま半年勤めた頃、体と心の両方が限界を迎えました。中学の頃の過食嘔吐が再発し、大量に食べては吐くという食生活を繰り返していました。

何をどうしてもベッドから起き上がれなくなってしまった時、ずっと温め続けてドロドロに煮詰まっていた「辞めよう」を形にしようと決意しました。

お水への転職

私は仕事の悩みに「転職」という形でケリをつけました。

転職といっても転職サイトは利用せず、最初に勤めていた会社の次は、学生時代に勤めていたラウンジでのチーママ候補として雇われました。

半年の短い間でしたが会社勤めの難しさを痛感しました。「最低三年は耐えてから今後の進路を考えろ」と様々な方から転職に際して忠告されました。

「三年やらないと向いているか向いていないかはわからない」「あまりに短い職歴は今後の再就職に響くぞ」ということだそうです。言っていることはごもっともです。理解はできました。

しかし、私は必ずしもそうだとは思いませんでした。

三年仕事を続ければきっとそれなりに仕事が手につき慣れてくることでしょう。その頃まで続けていられればある程度は会社に馴染んでいることでしょう。

しかし、裏を返せば3年もいる頃にはもう自分はどこにもいけなくなっているのではないかと思いました。

お水の世界と、後で触れますが私の目標とする業界は女性の旬が短い世界です。新卒で大学を出たのが22歳。そこに3年加えると、もう25歳です。

3年も経っている頃には自分の感覚が麻痺して怖じ気づいてしまうのではないかという恐怖がありました。そのため、体と心に変調がきたのは天からのお告げだと思い早急に会社を辞めました。

会社を辞めて私は銀座の店に出戻ってきました。以前卒業したのが円満な卒業だったため、お客様にもお店のスタッフにもあたたかく受け入れてもらえました。そこで約3年働いています。

チーママのポストは別の同僚に頼み、私は教育係として自分のポジションを確立しました。私もそうでしたが、最近のお水にはプロのホステスはあまりいません。私がいたような小さな店ならなおさらです。

地方から大学に通う為に出てきたものの、仕送りだけでは生活できない女の子が店の門を叩きます。そういった子達に接客の基礎を教えながら、生活や店でのサポートをするのが私の仕事でした。

人に教える事、そしてホステスの本分のお喋りやお酒も好きだったこともあり、この3年間は有意義な時間を過ごさせていただきました。

指導する身分になったので学生の頃の気楽さは無くなりましたが、新人の成長を毎日楽しみながら仕事をしていました。

しかし、私はずっとこの店にいるつもりはありません。私のキャリアの目的地は商業演劇の世界でした。

店に再就職する際にも「演劇の世界に入るチャンスがあればそちらにチャレンジする。そのためにもいつ辞めてもいいように後輩指導は徹底的にやる。マニュアルもつくる。」と約束した上での再就職でした。

ラウンジで働きながら時間をつくってはワークショップに参加したりオーディションを受けていました。

最初は俳優志望でしたが、紆余曲折を経て演出の仕事に魅力を感じ始めます。

様々な現場でスタッフとしても働きながらコネクションをつくり、最近とある劇団の演出助手として来年春の舞台に携わらせていただけることになりました。

今は店のシフトを減らして2回目の卒業をする準備をしながら、演劇漬けの毎日を送っています。毎日が輝いています。

転職して思った事

私の転職は自分の目標業界がはっきりしていたため、特殊な方向に突っ走った気もあります。

しかし、同様に入社1年で辞めていった知人の話を聞く限りでは再就職にさほどの不便はなかったと聞きます。

進みたい方向性がはっきりしており、今の環境が自分の将来の助けにならないと判断したらさっさと離れてしまうのがいいと思います。

間違っても体を壊す前に必ず逃げなければなりません。体を壊すと全快するまでに時間がかかります。胃痛を抱えたまま引っ越し作業や仕事の引き継ぎ作業をするのは本当につらかったです。

入社一年目の途中で仕事を辞めることをあまりに重く考え過ぎている方もいらっしゃると思います。合わないものは早く見切りをつけるに限ると思います。

「3年勤めて〜」を言う人は、その多くが3年勤めてその会社から逃げられなくなってしまった人です。

自分の選んだ選択肢が間違っていたと思いたくないからアドバイスとして貴方にそう言う面も無きにしもあらずなのです。

人のアドバイスは話半分よりも、話2割くらいで聞いておくべきだと思います。

もちろんこのアドバイスにもそれはあてはまります。最後に決めるのは自分なのですから。「あの人が〜〜って言ってたからこっちの道に来た」なんて言い訳を後からするようなことにならないような選択ができることを祈っています。

最後に、女子社員の登用について。最近は女性の社会進出が叫ばれています。登用を決める重役の方々はもう現場から離れ、女性と同じステージで戦わなくてもいい方々です。

だからこそ「とりあえず放り込んでおけ」といったように何の準備も無しに男性の世界に女子社員を放り込みます。男性の嫉妬は想像しているよりもきついものがあります。

私はうまくかわす術がなかったため、ダメージをもろにうけてしまいました。

新卒で男性色の強い会社に就職する女性に気をつけていただきたいのが、その会社が男性メインの職場に「女性登用」をした際にどれだけケアをしているか、また離職率が低いかを就職前に注意して調べていただきたいです。

私がA社を辞めた後に聞くとことによると、私が辞めた後も女子社員を同じ営業部門に配属したそうですがなかなか留まらないそうです。

違う部門の営業職でも最初の数年ほどは女性の離職率がひどかったと聞かされました。

このように、全てにおいて現場任せの会社の場合、頼るべき会社から何もサポートを受けられないまま、相談する先輩女子社員もいないまま一人で苦しむことになります。

「自分がその会社でどんな働き方をしていくのか」というのを、就職前に具体的に想像できる材料を集める必要があるのです。就職前から会社はある程度疑ってかかるべきです。

会社での進退で迷ったらまずはご自身のお体を第一に考えてあげてください。

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