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介護職員が配置される現場には、ホームヘルパー・デイサービス・デイケア・病院など、様々な場所で介護職員が働いています。
利用者の生と死と直接関わる現場であったり、比較的介護度の低い利用者が通う施設であったり、それぞれの現場では、それぞれの施設特有の悩みがあり、もちろん感じるストレスも違うのではないかと思いますが、ここでは介護職員の多くが抱えるストレスをご紹介したいと思います。
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①肉体的ストレス
女性や年配の方が働いている印象も強い介護業界なので、仕事は意外と楽なのではないか?と思われがちです。
しかし、実際の仕事内容には利用者の移動を手伝ったり、自分より体格の大きい人のお世話をしなくてはならなかったり、意外と力仕事中心ともいえる仕事がほとんどなのです。
そこで感じる肉体的ストレスをまとめました。
①-1.腰痛の悪化
身体的介助が必要な現場で働く介護職員の多くが感じる悩みが、腰痛の悪化です。
肉体疲労から来る腰痛や、無理な体勢で作業を続けることで悪化する腰痛、
時には椎間板ヘルニアとなり、手術が必要となる職員や現場をさる職員も多数います。
介護が必要な現場では、利用者(介護を必要とする人)を支えたり、
時には持ち上げたりしながら、利用者の移動を介助します。
もちろん、移動する際には体を動かすコツがありますが、現場では利用者が不用意に動いたり、それを実践出来ないことや、利用者と介護職員の体格差が影響を与えることもあります。
利用者に怪我をさせるわけにはいかないので、「絶対に失敗出来ない」というプレッシャーの中で、介護職員は利用者の介護にあたっています。
おもに腰痛を悪化させる作業には、利用者の移動(ベッドから車椅子への移乗、トイレへの移動など)や、入浴、排泄などの業務を毎日繰り返します。
その結果、介護職員の多くが腰に負担がかかると感じるのです。
現在介護の現場では、「職場における腰痛予防対策」が厚生労働省から出されています。
腰へ負担がかかる作業を楽に行うため、機械や補助機器の導入を推奨しているもので、
介護者や重たい機材などを運搬する際に、取り扱える重量も明記されたものです。
ただ、この予防対策は介護の現場ですら周知されている施設等が少なく、法的拘束力がないものなのです。その結果、腰に痛みを抱えたまま働く職員が多いことが現状です。
介護は人の手で行うべきという考え方が今もまだ払拭されず、特に介護を必要としている年配の方からは機械を用いた介護を敬遠される方も多くいます。
しかし、科学の進歩も影響して、介護の現場に導入出来る機材やロボットの開発はどんどん進んでいます。介護者の肉体的ストレスを考えると、介護は100%人の力のみで行うことは不可能であると感じます。
人が行うべきだという考え方が根付いている現状ではありますが、
今後、介護職員の負担軽減のためにも、ますます科学の発展が期待されます。
①-2.不規則な勤務体制で体が安まらない
介護現場には、24時間の介護が必要な場合も多くあります。たとえば、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)・グループホーム・ケアハウス・病院などがそうです。
このような24時間体制で介護が必要な施設では、1コマ8時間勤務となる、3交代勤務を行っている施設が多いです。(昼勤務6時~14時、前夜勤14時~22時、夜勤122時~翌6時)
この勤務体制を見ただけでは、しっかりと区切られていて、不規則でもなんでもないと感じませんか?しかしこれは通常の場合です。
施設によって、ここにオンコールという制度がプラスされる場合があります。
オンコールとは、夜勤の時間帯に自分が休みとなっていても、施設から専用の携帯電話などを持たされ、何かあったときに電話での対応を求められるというものです。(施設に呼び戻されることもあります)
もちろんオンコールは別途手当が出ますし、オンコールで出勤した場合には、その後の勤務時間が減らされるフレックス制度を取り入れている場合もあります。
しかしこのオンコール、専用の携帯電話を持たされている以上、着信に出ないわけにはいかないですよね。緊張が張り詰めた現場仕事から解放され、ほっと一息出来る自宅にいながらも、施設から対応を求める電話がかかってくる。
その頻度は施設によってまちまちとはいえ、オンコールが原因で疲労が蓄積されると悩んでいる介護職員は意外にも多いことが現状です。
施設ごとにオンコールに対しての対策が求められます。
①-3.肩こり・頭痛など
上述の腰痛でも紹介しましたが、介護の現場は思いのほか重労働で、体を痛めてしまう場合もあります。腰だけでなく、肩など別の部位に影響することも多いのが現状です。
それだけではなく、介護の現場は意外とデスクワークも多いのです。
たとえば、デイサービスにおいて毎日利用者の記録を残す日次作業は、
パソコンや手書きなどでほとんど施設で行われています。
利用者が多い施設では、1日約60名分以上の作業を行う必要がある施設もあります。
さらに、利用計画書やアセスメント記録をまとめる作業など、
長時間パソコンと向き合う作業が多く、肩こりや頭痛に悩む介護職員も多くいます。
特に現場仕事より相談業務が中心の、生活相談員や施設長など管理職員に多い印象を受けました。
②精神的ストレス
介護の現場で感じるストレスには、精神的なストレスも多数あります。
実際に介護の現場で勤務した経験からみると、精神的ストレスでは、仕事に対してのストレスよりも、人との交わりで感じるストレスのほうが多く体感しているように思いました。
中には、生と死と直接向き合わなくてはならない施設もあります。
介護職員はどのような精神的ストレスを感じているのでしょうか。
②-1.利用者の死と向き合うこと
介護老人保健施設(老人ホームなど)では、最期を迎える場面になっても、そのまま継続利用出来ることから、利用者の死と向き合う場面も少なからずあります。
最期の場として、暮らしてきた施設を選べるということで、それを見送るスタッフが死を受け入れることと、見送ることで、それをストレスと感じているスタッフも多いのです。
利用者の病状の悪化や、老衰などで、食べ物や飲み物の摂取が困難な状態が続くと、施設では看取りの体制を整え始めます。
医師の診断の元で、自宅に戻るか、それとも施設で最期を迎えるか選択してもらい、施設での最期を望んだ場合は、最期のときに向かって介護を行う<ターミナルケア>が行われます。
今までの介護とは違って、利用者も介護職員も『死』を意識したケアを行うことになり、ターミナル期を迎えると、介護職員は全体で情報の共有がより一層必要となってきます。
今まで精一杯のお世話をしてきた利用者が最期を迎える姿を、
介護職員はしっかりと見届けなくてはいけません。
介護職員は医療行為は出来ませんので、ターミナルケアでは、背中をさする、そばに寄り添う、声をかけるなど、間接的に不安を和らげるような援助しか出来ないのです。
こうして利用者が死を迎えるまでの間、介護職員はケアを行わなくてはなりません。
特に、若手の介護職員に多いことですが、現在は核家族化が進み、自分自身のおじいちゃんやおばあちゃんの死を経験したことがない職員が多いのが現状です。
家族の死すら経験したことがない若いスタッフが初めて迎える利用者の死。
自分に出来ることはもっとなかったのだろうか?もっと他にいい方法、選択はなかったのだろうか?介護を続けてきた利用者にとって幸せな最期となったのだろうか?
最期のときと直面したスタッフは、心境にも大きな変化が必ずあります。
時に、死を迎えることが続くことさえあります。
死は避けては通れないことではありますので、施設全体で職員に対するケアの体制を整えることが、ターミナルケアを行う職員のストレス緩和につながるでしょう。
②-2.介護行為に精神的負担を感じる
介護の現場では、想定外の出来ごとが発生することも多くあります。
特に、認知症患者を対象としているデイケアなどで多い印象です。
認知症を患った患者が、トイレと間違えて部屋にあるクローゼットで催してしまった。
さらにそのまま壁中を汚してしまった。
介護職員でない方が聞くと、ありえないレベルの話かもしれませんが、
実際にある話で、トイレと間違える行為はよくある話でもあります。
そんなよくある行為とはいえ、介護職員のストレスとなってしまうのです。
認知症という病気であるがゆえ、言っても伝わらないというところで、
介護職員は負担となってしまうのだと感じます。
②-3.スタッフの人間関係について
人が働く場所であるなら、必ず付きまとう「人間関係」。
いかなる施設においても、チームワークやスタッフの連携が求められます。
介護の現場には、ヘルパーや生活相談員の他に、看護師、医者、介護事務員、機能訓練士など、様々な職種で構成されています。働くスタッフの年代や性別も様々です。
チームワークが確立され、「報告・連絡・相談」がしっかりなされる環境でなければ、
時に利用者の生命に関わる事態にだって成りかねないのです。
しかし、やはりそこは人間が働く場です。
「人間関係」のもつれから来る不仲、という話は他の職種でも見られるように、
介護の現場でもストレスとなっているスタッフは多くいます。
比較的女性の割合が高い職場で勤務する男性からは、
「女性が強すぎて辛い」という話を聞きました。
中年女性が多い職場で働く若手ヘルパーは、「おしゃべりが多すぎる。しかも悪口ばかり。雑用は全て人任せ」と言っていました。
介護職員の転職理由で多いことの1つに、職場の人間関係が上がることも無理はありませんね。
③仕事内容のストレス
生活相談員やヘルパー、医者や看護師、機能訓練士、管理栄養士など、
介護の現場では様々な資格を持ったスタッフが働いています。
それぞれに役割がありますが、その仕事内容がストレスとなることはないのでしょうか?介護の現場で働くスタッフが感じる仕事のストレスをまとめました。
③-1.やりたい仕事ではなかった
介護の現場では、人手不足が問題となっています。しかし、年々介護を必要とする人は増加し、現在は多種多様な介護施設が出来ています。
そのため、人員確保のために沢山の求人が出されています。
職探しを行っていると、介護系求人を目にする機会が多くありませんか?
職種にもよりますが、特に要資格というわけでもないので、
比較的就職しやすい業種だと感じます。
仕事を探している人にとっても美味しい話ですよね。
「なんとなくやってみるか」でも通用しそうな決まり文句で書かれている求人すら見受けられます。よく目にするのが「資格取得支援」なんていうのもあります。
介護職で必要な資格を取得する際に、会社側で取得費用の一部を負担してくれるといったものですが、仕事を探している人にしてみれば、仕事も決まった上に資格も取れるなんてすごい!と思いませんか?
仕事を探している、求職中の状態で介護職の求人はよく見えてしまうとも言われています。その結果、特に介護職に興味がなくてその職についてしまう人が多いのではないでしょうか。
③-2.給料と仕事内容が見合っていない
介護職は全体的に人手不足の状態であると言われています。
そのため、デイサービスなどの施設では営業できる最低の人員しか揃えていない場合もあり、1人に対する仕事の量が多すぎる状態の施設もあります。
朝は早くから出勤し、賃金の発生しない時間から勤務。
就業時間後は、残業代の出ないサービス残業。
決して高いとはいえない基本給で日中は働き、福利厚生も充実していない施設。独り身ならまだしも、家族を養っていくのなら相当な労力も必要ではないかと感じます。
仕事内容は力仕事がほとんどで、意外と体を酷使する業種でもあります。
そのため、給料と見合っていないと辞めていく職員が何人もいるのが現状です。
仕事を続けていく人間は、上がらない給料に悩んでいる人が多数います。
③-3.仕事領域を超える勤務体制
介護施設で働くスタッフの中には、そのスタッフにしか出来ない仕事というものがあります。介護スタッフは医療行為は出来ません。
直接的なマッサージや、ストレッチなどの行為は機能訓練士が行うものとされています。
これらは専門職の仕事領域になるので、そもそも行えないものとしますが、後エバ、施設で働く栄養士が本来行うべき仕事の他に、身体介助や排せつのお世話任され悩んでいるという話をよく耳にします。
他にも、一般の介護スタッフとして、レクリエーションや日常の身体介助のみを仕事内容とし入社したが、入浴や排せつ、病棟患者のお世話をするということなど、本来の仕事内容に含まれる、仕事領域を超えた業務を求められることが多々あります。
本来やるべきことが出来ず、それをストレスと感じるスタッフが多いのです。
まとめ
以上、介護職員が抱える9つのストレスについてご紹介しました。
介護職は命と向き合う場でもあり、絶対に失敗出来ない状況が続きます。
そのため、介護職員が抱えるストレスは多岐にわたりますが、
そのケアをなされないままの施設が多いのが現状です。
介護職員は全般に見て、足りていない状況ではありますが、このようなストレス緩和を目的とした施設の改善が今後の課題なのではないかと感じます。
また万一、介護職が辛くて辞めたいと悩んだ際は、是非こちらのページをご参考にしてください。
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