商社の総合職の仕事内容と聞くと何を思い浮かべますか?
海外出張?お洒落なランチミーティング?クールで完璧なプレゼン?
勿論当てはまりますが、全部が全部そんな華やかなものとは限りません。
寧ろ斯様な華やかな仕事内容以上に、裏方作業の方が多いのが実態です。
一言でいえば、社内・社外問わず行う“トータルコーディネート”。
しかし、それは表で行っているのではありません。
ビジネスの構築だけでなく、人と人との間に入って信頼関係の構築をするために、実は裏であらゆる調整役を担っているのです。
今回はそんな、商社の総合職の仕事内容である、
“トータルコーディネート”についてお話していきたいと思います。
①社内のあらゆる関係部署の取り纏め
私の経験上、商社において一つの部署内で完結できる仕事は有りません。
例えば貿易営業であれば、貿易実務を専門に行う部署、物流手配を行う部署、外為、法務といった管理系の部門との連携は必須です。営業部門だけで全てを処理することはできないのです。
故に、商社の総合職は社内のあらゆる関係部署に、常に“協力を要請”しています。
同じ社内の人間に“協力を要請”するだなんて、社外みたい。気を遣いすぎ。
そう感じるかもしれませんが、実際問題、
社外の人と接するかのような気配りや配慮は必須なのです。
どのタイミングで依頼をするか。何を協力して貰うか。
どの部署とどの部署で協力して貰うか。
異なる専門部署同士を上手く繋ぎ、取り纏め、自分の意図に沿うように誘導していくには、このような裏での調整は商社の総合職には大切な仕事なのです。
それが円滑にできてこそ、商社の総合職はビジネスを成功させることができるのです。
②顧客のニーズを探り、それを実現させる
商社は製造メーカーとは違い、独自の自社製品を持っていません。
その為、商社の取り扱い商材は無限大。
取り扱おうと思えば何でも取り扱うことができます。
つまり、顧客のニーズさえ掴めれば何でも販売することができるのです。
これが商社のメリットでもあります。
しかしメリットである半面、顧客のニーズが掴めなければ、
販売し利益を生むことはできないのも事実です。
故に、商社の総合職は常に顧客のニーズを探り、
それを実現させることが責務となっています。
顧客は何を求めているのか。顧客は何を不満に思っているのか。
これらは全て商社にとってビジネスを始める為の大切なきっかけなのです。
商社の総合職が外出や出張が多いのは、これらを聞き出すためなのです。
それでもなかなか顧客よりビジネスチャンスは貰えないのが事実。
だからこそ商社の総合職は足繁く、それこそ地道にコツコツ裏であらゆる作戦を練って、
自身にチャンスが回るように動いているのです。
③裏方に徹し、顧客と顧客とを結び付ける
元商社時代、私の部署では顧客Aと顧客Bを結び付け、
自社も入れた三社で合弁企業を作るプロジェクトがありました。
顧客Aと顧客Bは、そのプロジェクトが始まるまでは言わば競合関係。
当然仲も良くありませんでした。
しかも顧客Aは日系且つ昔ながらの職人気質系、顧客Bは外資系という異色同士。
なかなかスムーズに事は進みませんでした。
そんな両者の調整役を任されたのが私の元上司。
顧客との面談は勿論、あくまで主役は両者と言わんばかりの裏での相当なサポート。
両者間で確認が必要な事項であっても、
上司が間に入り資料作成から取り纏めまで全てを行っていたのです。
まさに至れり尽くせり。両者を立てて、上司は裏方に徹するのみでした。
しかし結果、上司はその顧客を結び付けることに成功。
しかもそれだけでなく上司の思惑通りの内容で契約を締結することができたのです。
裏方に徹しつつも、上手に顧客を誘導したからこその結果でした。
顧客と顧客とを結び付けて新たなものを作り出し、そこから利益を得る。
これも商社の総合職の大切な仕事なのです。
まとめ
このように商社の総合職の仕事内容とは、“トータルコーディネート”なのです。
裏方に徹し、社内を取り纏め、顧客よりチャンスを入手し、
更には顧客同士の中に入って新たなビジネスを作り出す。
商社の総合職の仕事内容とは、決して全てが全て華やかなものではないのです。
商社の華やかなイメージの裏側には、
このような総合職の日々の地道な裏方作業があるからこそと言えるでしょう。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。