「自分の給料をもう少し上げたい」。誰もが一度は、いや毎月給与明細を見ては思うことではないでしょうか。
ベースアップや定期昇給という言葉は、めっきり聞かなくなってしまいました。黙っていても給料は上がるものという時代はとうの昔に終焉しましたが、ならばこちらからアクションを起こして、給料アップを掴み取りに行くしかありません。
そのためにやるべき(やめるべき)ことを会社側の思惑もまじえてご紹介します。
①人間力を磨く
昔はどの会社にも「賃金テーブル」なるものが存在しており、そのテーブルにしたがって社員は段階的に昇給していったものです。
もちろん評価も加味されていたので、同期で入社しても早くテーブルを駆け上がる者もいれば、ゆっくりと上がって行く者もいました。
ただ、それほど大きな差がつくものではなく、だいたい「○年勤めたらいくら」というのは読めるような給与体系だったのです。
もちろん今でもそういう会社は存在しますが、ごく少数派で、ほとんどの会社は成果主義を取っていると思われます。「それじゃあ、成果を上げれば良いだけでしょ?」と話しは単純には終わりません。成果を上げるためには「運」もかなり大きく影響します。
担当している営業先次第で売上も変わってきますし、大口の得意先の担当となり、特に何もしなくても数字を残せる場合もあればその逆もあります。
ただ運は巡るものと考えてはいかがでしょうか?
いつかチャンスが来ると考えて現業を一生懸命こなす。
何か昔話の教訓のようですが、意外に大切なことです。こうした姿勢を必ず誰かが見ていて、評価してくれるという例も結構あるものです。
たとえ評価者である上司が見ていなくても、それが回りまわって上司に届くということも考えられます。こうした「人間力」を磨くことが長い目で見ると案外効果的なのかもしれません。
②残業でカバーはほどほどに
一部の好景気な業種を除けばどこの会社も経営は厳しく、経費節減は至上命題です。
会社にとってもっとも手を付けやすいのが人件費ですね。他の経費に比べて占める割合が断然大きいですから。ただし会社からすると、一度決めた給料の額を減額するようなことは出来るだけしたくありません。
減給させれば当該の社員との間に当然軋轢が生じます。減給の場合はその理由についての丁寧な説明をし、本人にも納得をしてもらわねばいけません。
下手をすると労働組合が「不当」と言って抗議してくるとか、労働基準監督署が乗り込んでくるとか、そういう事態もないとは言えません。
会社側もこうしたギリギリな状況で、社員とうまく折り合いをつけて給料を支給していると思います。
そんなときにあなたが長時間の残業届をドカンと提出したら、会社側はどう思うでしょうか。あなたも会社の一員ですので、「1円でも多くむしり取ってやろう」などと考えていたら、それは改めることをおすすめします。
会社はあなたの敵ではないのですから。
誤解のないように言っておきますが、何もサービス残業をしろと言っているわけではありません。正当に労働した分については、しっかりともらってください。
ただ、明日やっても問題ない仕事を無理に残業に回したり、周囲に人が少ないのを良いことに、仕事するでもなくスマホをいじっていたり時間の経過を待つ、なんていうのは言語道断です。
ご存知とは思いますが、残業には割増が付きますので、会社の負担は更に増えることになります。
そのうち「アイツはいつも生活残業してるからな」なんて噂でも立ったら、もうそういう目でしか見られなくなりますよ。
③配置変えを願い出る
真面目に仕事をして会社に貢献してみても、このご時勢ですから、おいそれと給料が上がりません。
そういうときに取りうる作戦としては、環境を変えて事態を打開することです。
あなたが努力を続けても給料も何も変化もない。仕事に対するモチベーションも上がらない。こういうときには思い切って異動を申し出てみましょう。
あなたが今居る部署はいろいろな意味で停滞してしまっている可能性があります。
停滞した部署では、現状に(「積極的に」か、「消極的に」か、の違いはあるが)満足している人が多いと考えられますが、給料を上げたいと思うあなたなら、自分が成果を出しやすいアクティブな部署に動く方が良いのかもしれません。
たとえその異動先の部署がレッドオーシャンであっても、勝ち抜けば成果を上げられますし、成果が上がれば会社も昇給を考えてくれるはずです。
もちろん社内にそういう部署がないという場合は社外にそれを求めることになるかもしれません。その際には「名ばかりの成果主義」を行なっているようなところはリサーチして避けてください。
まとめ
日本では伝統的に「和」を重んじ、人間関係を円滑にすることで仕事の効率、能率をあげようという会社が多く、年功序列・終身雇用体制がほぼ崩壊した現在でも、その傾向は根強く残るといいます。
日本人はやはりコツコツと努力する人を評価します。結果よりもプロセスを重視する傾向がまだまだあるのです。
しかし日本経済は成果を求めています。自ら市場を取りにいかないと生き残れない時代になっているのです。
個人も、こうした我が国の産業界と同じです。勤勉で周囲から愛されるキャラクターであると同時に貪欲に結果を求める強さが必要となってきます。
「急がば回れ」ではありませんが、まずは今の自分の仕事のやり方について、傲慢な部分や卑屈になっているところがないか、まずはそこから見直してみてはいかがでしょうか。
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