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転勤族の妻にとっての仕事。
私自身が転勤族の妻であるということもあり、その経験から決してそれを一言で表わすことはできません。
妻として、転勤族である夫や家族を支えたい気持ちもある一方、自身も“自由に好きな仕事”をしたい。残念ながら、“自由に好きな仕事”という観点から言いますと、私の経験上、実現が非常に難しいのです。
しかし少々考え方を変え、工夫をしてみることで、転勤族の妻でありながらも自身に合った仕事に従事することは決して不可能ではありません。
そこで今回は、転勤族の妻の仕事の悩みと仕事の探し方についてお話していきたいと思います。
①仕事の悩み
①-1.転勤族である夫の都合を優先しなければならない
それでは早速、転勤族の妻が抱える仕事に関する悩みについて見ていきたいと思います。
先ずは最も多くの転勤族の妻が抱える悩み、“転勤族である夫の都合を優先しなければならない”というものです。
何か自身で興味のある仕事を見つけたとしても、実際にその仕事に就くか否かに関しては、先ずは夫の都合を鑑みた上で決定しなければならないというものです。
夫が、“別居状態になっても構わない”、“家族の都合は後回しでもOK”というような考えで無い限りは、必ずと言っていいほど妻は夫の都合を最優先に考えて行動する必要があるのです。
実際、私もそうです。
夫の転勤が決定する前は、専門商社で総合職として働いておりましたが、転勤が決定した後、悩んだ末、退職をして夫と共に転勤先に向かうことに決めました。
折角専門商社で築いたキャリアがこれでなくなるのかと悔しい思いもありましたが、夫と仕事を天秤にかけた際、夫を選んだのです。
貴方の周囲にも斯様な女性、多くいらっしゃいませんか?
①-2.転勤族の妻が就ける仕事は限定的
続いての仕事の悩みですが、“転勤族の妻が就ける仕事は限定的”というものです。
先程の悩みにも関連しますが、要は夫や転勤先の状況等によって、自身が就ける仕事というものが自然と決まってきてしまうのです。
あらゆる選択肢の中から様々な条件付けをしていくと、結果として自身が就ける仕事が限定されてしまうのです。
私の例を挙げて説明しましょう。
私の場合、夫の転勤先が海外であった為、そもそも仕事を行うにはなかなかハードルの高いものとなっていました。
転勤先での夫の仕事の都合云々の前に、先ずはビザの問題に始まり、会社の規定に関する問題、そして言葉や治安といった問題等、クリアすべきものが多々あったのです。
ただただ夫の都合だけを鑑みただけではNGだったのです。
このようにクリアすべき条件が多々存在した為、就ける仕事が非常に限定的なものとなり、結果私はフリーランスでライターとして仕事をすることになりました。
同じ妻であっても、他の女性たちとは結婚後の仕事に対する考え方、進め方がどうしても異なってしまう。
斯様な点に転勤族の妻の多くが悩んでしまうのです。
①-3.結婚前あるいは夫の転勤前よりも自身の収入が減ってしまう
三つ目の悩みとしては、“結婚前あるいは夫の転勤前よりも自身の収入が減ってしまう”というものが挙げられます。
夫の転勤を機に、職業や働き方を変える必要が出てしまった為、自身の収入が以前よりも減ってしまうというものです。
こちらに関しても私を例に説明していきましょう。
先程も申し上げた通り、私は夫の転勤を機に退職をするまでは、専門商社で総合職として働いておりました。
ゆえに毎月世間一般レベルの収入を給与として得ていましたし、ボーナスも年に二回頂いていました。
ところが夫の転勤後、私はフリーランスのライターとして仕事をしていますが、残念ながら毎月の収入は以前の半分以下となりました。勿論ボーナスもありません。
目に見えて自身の収入が減ったのです。
勿論、夫の転勤後も、前職同等レベルの収入が得られる職業に就くことができれば、斯様なことは起こりません。
ゆえに、私の周囲でも転勤先で前職同等レベルの収入が得られる仕事をしている人は、転勤後も変わらず収入を得ています。
しかしながらそれはほんの一部。
多くの場合は私のようなケースになっている人が多いのです。これは元総合職経験者であった女性に特に多く見られます。
私もそうですが、収入減を悩みとしている人は多く存在するのです。
②仕事の探し方
②-1.夫の置かれている現在・未来の状況を把握しておく
転勤族の妻が抱える仕事の悩みについて整理ができたところで、いよいよ仕事の探し方についてお話ししていきたいと思います。
先ずは、“夫の置かれている現在・未来の状況を把握しておく”というものです。
先程から申し上げております通り、転勤先に共に赴任しなくてもOK、全て自由にしてOKという考えの夫でない限りは、転勤族の妻には仕事探しにおいて様々な条件が出てきてしまいます。
したがい、折角興味のある仕事が見つかっても、後々条件に合わずNGであったなんてことの無いよう、先ずは夫の状況について整理しておく必要があるのです。
つまり、夫の現在の状況、そして今後の夫の状況について大方予想しておくのです。
少なくともこの程度に関しては妻も把握しておく必要があります。
予め夫の置かれている状況を把握していれば、それに則った形で自身の仕事計画もスムーズに立てられます。
また仕事に就いた後も、こんなはずではなかった等の後悔の念やトラブルに巻き込まれることもありません。
転勤族の妻にとって、先ずは仕事探し云々の前に、夫の状況を把握することは非常に大切なのです。
②-2.夫の会社規定について把握しておく
次に挙げるものは、“夫の会社規定について把握しておく”というものです。
夫が海外転勤をする可能性のある人は、特に重要な項目となります。と言いますのも、国内転勤以上に、仕事を探すうえでクリアすべき条件が多くなるからです。
夫の海外赴任に帯同する場合、妻はその地で働いてはいけないという規定を設けている企業は山ほどあるのです。
私がフリーランスでライターの仕事をすることになった決定打はまさにこれでした。夫の会社規定に大きく、現地企業に就職することはNGと記載されていたのです。
もし私がこの規定に関して事前把握をしていなければ、夫にも夫の会社にも大変な迷惑を掛けてしまっていたでしょう。
夫の会社規定に関して把握をしておかなければいけないのは、ただ単に自身の仕事探しをスムーズにさせるだけのものではありません。
夫や夫の会社の為だけでもありません。将来の自分自身の為でもあるのです。
自身のエゴの為に夫の会社規定を破るという行為は、夫のキャリアに傷が付くだけでなく、巡り巡って自身の日々の生活にも必ず支障が出てくるからです。
夫の会社規定について事前に知っておくことは、仕事探しの上においては勿論、将来の家族の生活のためにも、非常に大切なことなのです。
②-3.自身の生活パターンを整理する
夫の置かれている状況や会社規定についての把握が完了しましたら、いよいよ自身についての整理が始まります。
先ずは、“自身の生活パターンを整理する”というものです。
何時に起床して何時に就寝する必要があるのかといった生活リズムにはじまる自身の生活パターンについて整理をしていきます。
例えば現在の私の場合、平日は毎朝6時には起床する必要はあるものの、夫の帰宅時間は早くても20時以降となっています。
ゆえに夫を見送ってから夫が帰宅してくるまでの間はフリータイムの為、基本的には自由に趣味も仕事もできるようになっています。
このように、自身の生活パターンを考察することで、どの時間帯であれば仕事をすることが可能で、どこが不可能な時間帯なのかを明確にすることができます。
自身の生活パターンではなく、興味のある仕事から先ずは見て、そのうえで自身の生活パターンと合致させた方が良いのでは?
そう思われる方もいるかもしれませんが、その方法はお勧めできません。
と言いますのも、仕事ありきで探した場合、自身の生活パターンを仕事に無理矢理当て嵌めるような形を取ってしまいがちになるからです。
仕事に自身の生活パターンを無理矢理当て嵌めてしまうと、折角その仕事に就いたとしても、後々必ずズレが生じてしまい自身を苦しい状況に落とし入れてしまうのです。
したがい斯様な結果を避ける為にも、先ずは自身の生活パターンを大切にし、その上で合致した仕事が何かを探していった方がベターなのです。
②-4.自身の特技・興味分野を整理する
“自身の生活パターンを整理する”ことが終わりましたら、次に行うべきことは、“自身の特技・興味分野を整理する”というアクションに入っていきます。
これは所謂、転職活動を行う際と同様のアクションになります。
要は、自身の特技・興味分野をビジネスの面でどのように活かすことができるのかを探るというものです。
しかし、あくまで私たちは転勤族の妻。ゆえに、ビジネスの面にプラスして転勤族の妻の面も鑑みる必要があります。
自身が世間に誇れる特技は何なのか。また自身が興味を抱いているものは何なのか。これらをビジネスと転勤妻という観点で整理し、それを基に仕事を探していくのです。
私の場合、自身の特技は“売り込み営業”、そして関心分野は“トレーディング”でした。
しかし転勤族の妻の観点を入れて再度考察しますと、特技は“コラム・記事作成”、関心分野は“就職活動ノウハウ”です。
一見、転勤族の妻の観点を入れると別物に変わっているのでは?と思うかもしれませんが、実はきちんと関連性があります。
“コラム・記事の作成”は、ある意味自身の経験や知識を相手に文字にして訴えかけることです。つまり、相手に自身の思いを売り込む“売り込み営業”と同じことなのです。
また“就職活動ノウハウ”についてですが、こちらも“トレーディング”の分野に就職する上で得た経験や知識、そして入社後採用活動に携わった経験と、密接に関係しています。
ゆえに、自身の特技や興味分野というものは、観点が変わっても、ベースとしては同じものなのです。
転勤妻であるがゆえに、一般的な転職活動と同様にとはいきませんが、きちんと守るべき観点さえ守れば、容易に整理ができるのです。
②-5.就職関連サイト・情報を活用する
続いての方法は、“就職関連サイト・情報を活用する”です。ここまできますと、いよいよ仕事探しも本格化となってきますね。
就職関連サイトは以前にも増して種類も内容も充実してきており、パソコンだけでなくスマートフォンからでも容易にアクセスすることができるようになりました。
勿論情報収集の方法としては、インターネット経由だけでなく、就活関連イベントへの参加やハローワーク等でも可能です。
したがい、転勤族の妻であってもあらゆるツールを利用して情報収集することができるのです。
私の友人は、夫の海外転勤に伴い前職は退職しましたが、帯同赴任後、赴任先の地で就職活動を進めました。
彼女の就職活動における使用ツールは現地の求人情報。しかもレストランや美容院等の情報が主に載っているフリーペーパーの中にある、小さな求人欄でした。
彼女はその求人情報を基に、企業にコンタクトを実施。企業訪問や面接のアポイントを自ら取り、就職活動を実施したのです。
結果、彼女は見事入社が決定。彼女自身も転勤族妻である為、企業側にはその点を十分理解の上で雇って貰っているようです。
彼女の場合は現地のフリーペーパーから探した為特異な例ではありますが、情報収集の方法としては非常に参考になる方法です。
他の女性に比べ、どうしても仕事の選択肢が狭まってしまいがちな転勤族の妻。
しかしそれでも本気で仕事を探したいと考えているのであれば、彼女のように常にアンテナをピンと張る必要があるのです。
いつどこで有益な情報があるかは分かりません。
就職関連サイトに会員登録やメルマガ登録をしたり、気になるイベントがあれば参加してみたり等、常に視野を広げて行動することが大切なのです。
②-6.在宅ワーク・フリーランスの仕事を検討してみる
仕事に就きたいものの、自身の希望条件を満たすものが全く見つからない。
斯様な状態に陥ってしまった場合は、“在宅ワーク・フリーランスの仕事を検討”してみましょう。
自身の好きな時間に、好きな場所で、好きな分だけ。在宅ワーク・フリーランスの仕事のメリットとはまさにこれです。
実際、私もフリーランスでライターの仕事をしておりますが、自身でスケジュール管理ができますし、仕事のウェイトも自身の裁量で決めることが可能となっています。
しかしながら先程も挙げた通り、毎月決まった額をきちんと得ることはできませんし、ボーナスもありませんので、収入面における不安定要素は否めません。
ただ、自身の裁量で仕事のウェイトを決められますので、それこそ昼夜問わず働き、稼ぎ続けるという意思があれば、幾らでも稼ぐことは可能です。
また在宅ワークとしては、自宅教室なんかもそうですね。
料理教室、手芸教室、ヨガ教室等、自身の趣味・特技・資格を活かして、自宅で教室を開かれている方は多いです。
実際、私の周囲でも、週に2、3日、数名の生徒さんに対して自宅で教室を開かれている方はいらっしゃいます。
仕事をするということは、企業に勤めるだけが全てではありません。在宅ワーク・フリーランスの仕事も、立派な選択肢の一つなのです。
②-7.必要であれば資格を取得する
最後は“必要であれば資格を取得する”というものです。
世の中、資格がなければ就けない仕事、資格があれば優位に就職できる仕事というものが存在します。したがい、もし自身の就きたい仕事に資格取得の必要性があるのであれば、是非実行をするようにしましょう。
しかし特に必要性を感じないのであれば、資格は取得する必要は全くありません。あくまで“必要であれば”資格を取得すれば良いのです。不要であれば資格を取る必要はないのです。
確かに資格必須の仕事は世の中には存在しますが、殆どの仕事は資格必須の仕事ではありません。資格不要の仕事が大半と言っても過言ではないでしょう。
資格よりも、今までの経験・知識の方を重視する仕事の方が圧倒的に多いのです。
企業の立場に立って考えてみてください。
簿記3級の資格は保持していても財務関連の事務経験ゼロの人と、簿記等の資格はゼロでも財務関連の事務経験は5年以上ありの人であれば、どちらを採用したいでしょうか。
後者の方が採用したいと思いませんか。
資格は保持していても、その知識を実際に活かしたことがなければ、企業の戦力になれるかは非常に怪しいです。
あくまで資格はツールであり、使いこなせなければ意味がありません。
したがい、むやみやたらに資格取得に走る方が多いですが、それは間違いなのです。
必要があるか否かを先ず見極め、その上で取得する為にアクションを取らなければ時間もお金も無駄になってしまうでしょう。
まとめ
いかがでしたか。
転勤族の妻の仕事の悩みとは、夫の都合を優先しなければならない点、仕事の選択肢が限定される点、そして自身の収入が減ってしまう点が挙げられるのです。
“自由に好きな仕事”に就くというのは、転勤族の妻にとっては実現が非常に難しいのです。
しかしながら、仕事の探し方を工夫することによって、幾らでも自身に合った仕事に従事することは可能です。
転勤妻にとっての仕事探しには、少々コツがいるのです。企業のグローバル進出が進む今、国内転勤族だけでなく海外転勤族も益々増えていくでしょう。
そしてそれに伴い、私のような妻たちも益々増えていくでしょう。
仕事に就きたいと考えているのであれば、“自分は転勤族の妻だから・・・”の一言で諦めるのではなく、視野を広げて賢く行動するが吉ですよ。
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