商社は残業が多い。激務。
このような印象を抱いている人が大半ですね。
実際、私も商社時代を振り返ると、出てくる言葉は残念ながら激務の一言です。
では何故商社の仕事は激務なのでしょうか?
何故残業が多くなるのでしょうか?
それは商社が“グローバル企業”だからなのです。
これより商社=激務の実態についてお話していきたいと思います。
①グローバルゆえに時差が発生
商社の顧客は良くも悪くもワールドワイドにおります。
故に、海外にいる顧客に対しては、日本時間を軸に仕事を進めることが非常に難しいのが実態です。時差が存在するためです。
私は商社時代、中国、東南アジア、そして北米の顧客を担当していました。
ちなみに北米との時差は16時間。ほぼ真逆なのです。
その為、私は北米の顧客とは午前中にやり取りをする必要があった為、
必然と午前中は激務となっていました。
北米優先に業務を行っていても、他地域の顧客の方でトラブルがあれば、
同時進行で行う必要があったからです。
夕方以降の残業だけでなく、早朝出勤が必要となったのは言うまでもありません。
時差により、商社の業務は自然と激務へと繋がるのです。
②グローバルゆえにトラブルが多発
国が違えば、ルール・考え方も異なる。
商社時代、これについては相当悩まされました。
通関トラブルは当たり前。きちんと書類を提出しても、
いちゃもんをつけられ受理されない。担当者の気分一つで平気で約束を破られる。
このようなことは日常茶飯事でした。
あらゆるリスクを鑑み、事前に手立てを打っていても斯様なトラブルは発生する為、
商社としてはその都度問題解決に挑まなければならないのです。
しかも顧客との納期もある為、常にスピード勝負。
限られた時間の中で走り回る為、激務になりがちなのです。
トラブル処理に追われているうちに終業時間に達してしまった=残りは残業決定。
斯様な状況が日常な為、どうしても残業が増え、激務になってしまうのです。
③グローバルゆえに書類作成が多い
海外顧客との取引ともなると、必要書類は契約書だけでは不十分というのは想像できるかと思います。
契約書に始まり、何種類もの通関書類、
他にも要請があればその都度証明書の準備が必要なのが実態です。
そしてこれらの書類、一言一句に渡って注意が必要なのです。
なぜなら顧客によっては、一文字スペルが誤っていただけで支払いを拒否するからです。
実際、これが原因で支払い拒否を受け、莫大な損失を被った商社は何社も存在します。
それほどシビアな問題なのです。
故に、商社はどんな契約であれ、書類の作成にはこと労力を使うのです。他の業務との並行作業ではリスクのあるものもある為、書類だけに専念することもあるほどです。
当然、顧客訪問の片手間にチェックなんてできません。
顧客訪問の終わった就業時間後、つまり残業時間に書類の作成やチェックに追われるなんていうのも日常茶飯事なのです。
書類作成やチェックに追われて激務になっている人。
商社マンには非常に多いのです。
まとめ
このように商社=激務という実態は、商社が“グローバル企業”であるがゆえなのです。
国内だけでなく海外顧客を相手にする為、時差が発生したり、トラブルが多発したり、そして大量の書類の作成に追われるからなのです。
一つ一つ業務をこなしていっても、次から次へと斯様な事柄にぶち当たる為、
スムーズに業務を終えることが難しいのが現実。
商社=激務という実態の裏には、
このような“グローバル企業”ならではの悩ましい事情があったのです。
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