【転職理由：結婚】

丸４年営業スタッフとして働いた自動車ディーラーを、結婚を機に辞めることになりました。元々入りたくて入りたくて受かった会社だったので、辞める時にはとても悩みました。

悩んだ、というよりは決断しきれなかった、といった方が正しいかもしれません。やりがいのある仕事で上司や後輩にも恵まれていましたが、拘束時間が長く、土日祝日は必ず仕事でシフトも不規則でした。

一方結婚相手は日曜が休みで朝が早く、そのかわり夕方には終わる仕事だったので、このままだと結婚してもお互いの時間が合わないのは分かりきっていました。

頭の中では辞めるべきだ、と分かっているのですが、自分が強く希望してついた仕事を道半ばで辞めることに、何だか気持ちがぐずぐずして上司に話すまで時間がかかってしまったのです。

そのことで彼とケンカになったこともありましたが、そのお陰で決意が固まり、やっと上司に話をして退職の時期が決まりました。そこからはトントン拍子に話が進み、「あんなに悩んでいたのは何だったんだろう」と拍子抜けしていまうほどでした。

こんなことならもっと早く言えばよかった、と思ったのを覚えています。

辞める時に一番思っていたのが、４年間でできた担当のお客様の後任への引き継ぎをしっかりとやりたい、ということでした。というのも自分もいろいろな先輩からお客様を引き継いできて、あまりしっかりと申し送りができないまま苦労した経験を何度もしてきたからです。

後輩に同じような思いはさせたくありませんでしたし、お客様にも迷惑をかけたくありませんでした。ですので社内への退職の発表も通常より早めにさせてもらって、まる２ヶ月を引き継ぎ期間に充てることにしました。

お客様に退職を伝える時にはとても緊張しました。

車を販売する時には長いおつきあいをさせて頂くこと前提でお話をするので、なんだかこの退職で自分で言った言葉に対して嘘をついているような気持ちになったからです。

ですが実際に蓋をあけてみると「おめでとう！」と喜んでくれる方ばかりで、お祝いのプレゼントまで下さる方も沢山いました。改めていいお客様に恵まれて幸せだと感じながら会社を後にすることができました。

仕事を辞めた後は一旦失業手当をもらいながら主婦業に専念し、数か月後歯科医院に就職しました。そこを受けることにしたのは歯科医院は安定した仕事で、始業時間と終了時間も一定、主人とも時間が合せられて家事と両立ができそうだからという単純なでした。

求人内容は受付スタッフの募集だったのですが、面接に行くと院長から「あなたの営業経験があるならカウンセラーの仕事ができると思う。せっかくだから受付専門よりもそちらの仕事をやってみてはどうか。」と提案していただき、ありがたくお話を受けることになりました。

実際に働いてみると営業と歯科医院は分野こそ違えど同じく「人」を相手にした仕事なので、生かせる経験がたくさんありました。

営業でじっくり相手の話を聞いて車を提案する流れは、そのまま患者さんの問診をするカウンセリングに生かせたし、電話応対、患者さんが来院された時の声掛けなども、それまでやってきた接客経験そのものでした。

こういう風に育ててくれた前の会社に感謝しなければ、と思いました。

転職で次の仕事を考える時に、職種が違うことに悩む方もいるかもしれませんが、内容は違っても前職の経験が生きることはたくさんあると思います。専門的な知識は入ってから学べるので、それほど心配しなくても一から教わる気持ちで臨めば大丈夫です。

それから、そもそも今の会社を辞めるべきかどうか、転職すべきかどうか、を悩んでいる方は、まず一番大事なことだけを考えることだと思います。

私の場合は結婚してからの生活が最優先事項でしたが、辞める時にはそれ以外のことでうだうだとしてしまって上司に話すまでに時間がかかり、その期間が一番ストレスだったように思います。

周りや会社への配慮も必要ですが、自分の人生に関わることなので、この時ばっかりは自分のこと最優先、で考えてもいいと思います。

私は思い切って上司に話してしまってからは、憑き物がとれたように気持ちがスッキリして残りの仕事に前向きに臨めました。

転職に伴って考えることはたくさんあるかもしれませんが、その時間自体が辛くなってしまってはいけないので、シンプルに考えて、いざという時にはえいやっと覚悟を決めて勢いに乗ってしまうくらいがちょうどいいかもしれません。