※以下は飲食店接客バイト、大学生(19歳)、バイト年数:約半年、女性の体験談です
サービス残業に勝手な給料削減
大学生の頃、授業のない夕方から夜の時間帯を使って観光地にある有名なカフェレストランでホールのアルバイトをしていました。
仕事自体は楽しく自分のアイデアを採用してもらえたりする面もあり、また同年代の仲間もたくさんいて充実した日々を過ごしていました。
「このアルバイト、なんだかおかしい」。そう感じ始めたのは、アルバイトを始めて半年ほど経ったころのことです。
このカフェレストランの閉店は深夜の1:00。バイトの就業時間もそれに合わせて1:00までとなっていたのですが、店の片付けなどを行っており実際に仕事を終えられるのは深夜2:00頃でした。
また、閉店後には月二回ほどミーティングが行われ、解放されるのが朝5:00ごろになることも。もちろんこれらの時間にお給料は付かず、一日あたり1時間以上は当たり前にサービス残業をさせられていました。
また、もう一つおかしかった点が給料明細です。給料明細をもらって家で計算をしてみたところ、なぜか実際に働いていた時間(上に書いたサービス残業除く)よりもかなり少ない時間数になっています。
これはさすがにすぐアルバイト先に問いただしたのですが、向こうの言い分は「10万円以上になると税金がかかって却って手取りが減るから」とのことでした。
向こうは親切のつもりでそういった計算をしていたのかもしれませんが、黙ってそういったことを行う姿勢に疑問を持ちました。
加えて、上司がいじめを行う体質の方だったことも辞めたい原因の一つとなりました。
このカフェレストランのホールにはたった二人の正社員しかおらず、長い就業時間でストレスが溜まっていたこともあるのでしょうが、一人の女性上司はアルバイトの中から一人ターゲットを決めていじめをするタイプの人でした。
またそれを悪びれもせず「昔は○○さんのこといじめてたのよね~」などと話していたことから、この人には付いていけないという思いが大きくなり始めました。
高校生の頃にはアルバイトの経験がなくこのアルバイトが初めてのアルバイトだったこともあり、おかしさに気が付くのが遅かったのが原因で半年間も経ってからこれらのことに気が付きました。
今思うと、なぜもっと早く気が付かなかったのかと後悔するばかりです。
遅い時間まで続くサービス残業はもちろん翌日の大学の授業に悪影響を及ぼしましたし、毎日余裕のない生活を送ることは段々と精神的にも煮詰まってくるばかりでした。
日常生活に悪い影響が出て初めて「このままではいけない、アルバイトを辞めた方がいいのではないか」と考えるようになったのです。
学年の進級を理由にアルバイトを辞めました
このアルバイトを辞めようと決意をしたのは、アルバイトを始めてからちょうど半年後の3月のことでした。
大学では2月から4月まで長期休暇に入るのですが、その間に実家に帰る予定がアルバイトのせいでたてられなかったこと、また新しい学年に入って時間割を決めるときにアルバイトに左右されたくないことが原因でした。
アルバイト先に辞めることを伝えたのは2月末のこと。実家に帰る予定のことは特に言わず「4月から時間割の目処がたちそうにない」ということを理由に辞める旨を伝えました。
元々入れ替わりの激しい職場だったこともあってか辞めることはスムーズに受け入れてもらえましたが、当時辞めたいという人間が多くいたことから、辞める旨を伝えた上司にはひどく嫌な顔をされました。
そうは言っても、大学生ということは伝えた上でアルバイトをしているので引き留めることができなかったのだと思います。
辞める宣言をしてから一か月後、三月末までアルバイトをするという約束で退職について認めてもらうことができました。
退職を申し出たときには嫌な顔をされたものの、そこからは特に問題もなく三月末まで働くことができました。嫌な顔をした上司も今までと態度を変えることがなかったのが幸いでした。
自分の気持ちとしては肉体的にも精神的にもいっぱいいっぱいになっていて逃げるようにして辞めた思いだったのですが、思い返してみるとちゃんと円満に退職できたように思います。
それからは残りの春休みを実家で謳歌し、四月には何事にも縛られることなく自分の思う時間割を組むことができました。
アルバイトをしていた影響で、どうしても夜型の生活が抜けきらずなかなか朝早く起きられない生活スタイルになってしまい、それからも朝の授業はあまり出られませんでしたがその分遅い時間帯の授業を取ることでカバーすることができました。
また、長期間の実習や研究室訪問、部活などに時間を割けるようになり、学生生活が充実したものになりました。また、アルバイトをしていたことで金銭的に麻痺していた点も改善したように思います。
生活の余裕のなさから毎日のように外食し、稼いだお金はすべて月末には消えてしまう生活だったのが、生活に余裕ができたことで少しずつですが貯金もできるようになったのがうれしかったのを覚えています。
結論から言うと、アルバイトは辞めて正解でした。
あのままアルバイトを続けていれば、いつかは体を壊し大学生活そのものが成り立たなくなってしまっていたと思います。
辞める決断ができたことで、次の年度から大学生活に比重を置くことができるようになりました。あのとき決断をした自分を間違いではなかったと自信を持って言うことができます。
辛いときには無理しないで
この話の中で唯一私が後悔している点は、なぜもっと早く辞めなかったのかという点です。授業とアルバイト以外に時間もなく、アルバイトから帰ってきて授業を寝過ごす。
こんな本末転倒な日々を送っていたのに関わらず「アルバイトも仕事だから責任がある」「途中で投げ出したらバイト先で悪い印象になる」などと余計なことを考え、明らかなブラック企業体質に気付けなかったことに悔いが残ります。
「辛い」と思うときは、体や心がシグナルを出しているときです。そんなときに無理をして仕事を続けると、体か心、もしくは両方が壊れてしまいます。
「辛い」と感じたら、まずは「自分は何のためにアルバイトをしているのか?」ということを問いかけてみてください。おそらくそこには「生活のため」「家族のため」「恋人のため」「自分の楽しみのため」など色々な理由があると思います。
そして、その次に考えてほしいのです。「アルバイトをしていることで、その理由が却って蔑ろになっていないか?」ということを。
生活のため、家族のため、恋人のため、自分の楽しみのため、そんなことのためにアルバイトをしているはずなのに、アルバイトのせいでそれらのことが大事にできなくなっていませんか?
もしそうなら、それは本末転倒というものです。
大事な家族や恋人に割く時間がなくなって不幸になるくらいなら、アルバイトを辞めましょう。自分の楽しみのためにお金を稼いでいるのにそれをやる暇もないのなら、アルバイトを辞めましょう。
生活のためにお金を稼いでいるのにそのせいで本業が疎かになってしまうなら、アルバイトを辞めましょう。
もちろんアルバイトにも責任はありますが、アルバイトである以上会社に対してそこまで責任感を感じる必要はありません。
「会社のため」と思うこともあるかもしれませんが、何より大切なのはあなた自身の生活であり、家族であり、あなた自身そのものなのです。
特に大学生でアルバイトをしている方は、私と同じ道を辿ってほしくないと思います。アルバイトは就職する前の練習のようなものです。
むしろアルバイトをすることで就職活動での選球眼を身につけてください。悪い会社、良い会社というものが世の中には存在します。また、自分に合う会社、合わない会社も存在します。
「辞めたい」と思ったら、なぜ辞めたくなったのか考えてそれを参考に就職活動をしてください。辞めることは悪いことではないですし、もちろん辞めることも悪いことではありません。
自分が壊れてしまう前に辞める方が賢明な判断です。ただし、辞めるときに辞めたくなった原因についてよく考え、次回に同じようなところに就職してしまわないよう注意することが必要です。
アルバイトを辞めたい方は絶対に無理をしないで。そこでなくても、あなたにぴったりの就職先が待っていますよ!
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