専業主婦で働きたいとも思いますが、外で働くのが怖いです

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※以下は30代後半、女性、専業主婦、子供1人の体験談です

外で働く事への取り除かれない恐怖

私は自分自身が外で働く事への恐怖心を抱いている事に、大学の就職活動時代に嫌と言うほど悩みました。

周りの友達が挫折を繰り返し落ち込みながらも、未来に大きな希望を持って就職活動を続ける姿を見て、そんな意気込みが無いどころか、社会に出て働く事への何とも言えない大きな抵抗感におののいている自分に気が付いてしまったのです。

当時はまだ若く、そんな自分を冷静に分析する事ができず、卒業と同時に何とか内定を貰った一般企業に就職しましたが、やはり直ぐに退職してしまいました。

そこからさんざん回り道をして、自分が何とか働ける場所として図書館という職場を手に入れたのです。図書館と言う職場はかなり狭き門です。

そんな貴重な職場を幸運にも手に入れたのに、私は妊娠を機に退職しました。今は専業主婦です。買い物や子供の用事以外はほとんど外に出る事なく、毎日地味に家事育児をこなす日々です。

「そんな地味な生活は耐えられない」と言う女性も多いでしょうが、私にとってはこの上なく安定していて幸せな空間です。

自分でも不思議ですが、「この家の中にさえいたら、私は無事。私は大丈夫」と思ってしまうのです。でも数年ほど前から、子供が大きくなるにつれて周りのお母さん方が外に働きに出始めたのです。

「自分は自分」と思えたらいいのですが、周りの事はやはり気になります。「正規ではなく非正規の立場ならそこまで仕事も大変ではないし」という意見もありますが、私にとって仕事の大変さや責任の多さが問題なのではなく、人前で働く事そのものが怖いのです。

自意識過剰なのでしょうが、常に人から評価されているようで息苦しくなってしまうのです。

20代前半の頃は、こんな自分にさんざん悩みました。みんなが普通に出来る事が普通に出来ないのですから。

子供の頃からずっと、周りの子供たちと比べて何でもかんでも劣っていたのなら、「自分はそんな人間なんだ」と納得もいくかもしれませんが、私はそれなりの努力も惜しみませんでしたが、勉強にせよ、
運動にせよ、人並みかそれ以上に出来てきました。

そんなふうに頑張る自分、頑張った分だけ成果を手に入れてきた自分を全否定されたのです。人生で最初の、そして最も大きな挫折でした。

そんな私が結婚し、妊娠し、母親になり、「やっと許されたんだ」と思ったのも束の間で、子供の成長と共に、また「自分はどうして人並みに外で仕事ができないのだろう・・・」と、大学の就職活動期ほどではないにしろ、また悩む日々が訪れたのでした。

自分の生き方を模索する日々

私の周りのお母さん達は、スーパーのレジや病院の受付、介護に関わる仕事などをする人が多いです。それを見ると、自分がそれらの仕事をしている姿を思い浮かべ、その想像から恐怖を感じる日々です。

週末に入る求人情報にもくまなく目を通し、自分の家から通える範囲の仕事を見付けたら、その仕事をしている自分を想像します。そして又恐怖を感じるのです。

このように悩み恐怖を感じる日々ですが、大学時代にさんざん悩んだ経験があるからか、それなりに人生経験を積んだのか、どこかで「みんなは外で働けても自分には無理かもな」という冷静な目があるのも事実です。

悩んではいても「自分は自分だし、人と同じような生き方は出来ない」と分かっているのです。 

こんな私ですが、妊娠を機に退職するまでは、約6年間、図書館で正規職員としてきちんと仕事をしてきました。

その6年間は安泰だったかと言うと、現実は全くそんな事はなく、ほぼ毎日ストレスから身体のふしぶしが痺れたり胃に激痛が走っていたので、毎晩母親には身体をさすって貰ったり、胃を押して貰ったりしながら何とか仕事に行く日々だったのです。

そんな感じで、余裕は全く無くギリギリの状態だったから、妊娠を機に結局退職したのですが、「独身の立場として何とか自分が生きていける場所を獲得していたんだ」という自負があるのです。

大学の就職活動時代、そして新卒で入社した企業を退職した頃、あの頃は本当に、世の中から、自分の人生から、逃げる事しか考えられませんでした。辛くて辛くて、「死んでしまいたい」とは言わないまでも、「生きてきたくなかった」と何回も思うぐらい苦しみました。

それでも「逃げても何処にも逃げ場は無い」と自分に言い聞かし、必死で自分が生きていける場所を見付けたのです。

ですから、「きっと今は専業主婦の私でも、家計の足しや子供の教育費の助けになる為に、少なくてもいいから収入を得る道を見つけ出せる日が来るのではないか?」と信じるようにしています。

悩むと言うとマイナスな印象ですが、模索する事を諦めなければ、きっとその人に合った収入を得る道があるのだと思うのです。

ステレオタイプから外れてしまう人

「社会で働く」と言っても本当に様々な職、働き方があると思います。それなのに、外で働く事へのステレオタイプ的なイメージって強いと思うのです。  

企業や組織で働く会社員や団体職員、そして医者や美容師など資格を活かす仕事。主婦のパートならスーパーのレジや品出し、シルバーなら自転車整理やスーパーのカート整理など。他にも例はたくさんあると思いますが。

そしてもし自分がそれらのステレオタイプから外れると「ダメな人間」のように感じてしまう人って多いのではないでしょうか?

就職活動時代の私はそんな自分をどこまでも責めていました。でも今となって思う事は、決してそんな事はないという事です。みんな人それぞれなのだから、働き方もそれぞれなのです。

最初に社会に出る若い人達がもしそのステレオタイプに従えなかったとしたら、純粋な心で悩むと思います。でも、「そんな事はないんだよ」「自分を責めなくてもいいんだよ」という事を伝えたいし、周りの大人が伝えてあげて欲しいと思います。

私は大学卒業直ぐに無職になり、図書館司書の採用試験を受けている間、「このままずっと無職だったらどうしよう」「どうしてみんなみたいにあっさり仕事を決められないんだろう」「どうしてどんな仕事でも出来ないんだろう」とずっと悩んでいました。

そんな時、私の母親は、何回でも「もし図書館がだめだったら、一緒に塾でもしよう」と言ってくれました。いつも笑って、「古くてもいいから小さい家を買ってしまってそこで塾をするんだよ」と何だか夢のような話しを提案してくれるのです。

それを聞く度に、「大学出たての独身の女性が個人で塾を開くなんて聞いて事ないし・・・」と呆れていたのですが、それでも、その提案が当時の私にとって唯一の支えでした。

「そんな仕事で生計が立てられるのかな・・・」という不安もありましたが、その一方で「そんな働き方をしてもいいんだ」という事に気付かれたといのもありました。

そして何より、そんな人並みになれない私を、母親が責めるのではなく、認めてくれているという事が何よりも支えになったのです。  

若い頃にこんな経験をしていてもまだ、周りのお母さん方が働きに出始めると悩んでしまう私ですが、若い頃の経験は無駄にはなっておらず、いつももう1人の私が悩んでいる私に、「人並みじゃなくてもいいんだから」とささやいています。

ですから、私と同じく専業主婦で、社会復帰への恐怖を感じている人がいたら、「模索を諦めなければ、きっとその悩みからの出口、そして自分の生きる道への入り口に辿り着けるはず」と伝えたいです。

 

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