法人化の一番のデメリットは何と言っても社会保険料が高すぎるという点です。1人社長でも法人化した場合は、社会保険に必ず加入しなければいけません。
現在、任意継続か国保かは分かりませんが、国保であれば一番高くても年間約100万円です。
国民健康保険料は地域によって異なりますが、利益1000万円であれば、国民健康保険料は年間77万円~85万円程度になります。これに、国民年金が加算されます。
なので、基本的には任意継続のほうが安くなるはずです。脱サラ後に利益が1000万円になろうが5000万円になろうが、任意継続の2年間は保険料が固定で、年間30万円程度の負担ですからね。
私は、脱サラ後、2年間は任意継続で社会保険料を安く抑え、任意継続が終了する年に法人化しました。ですが、社会保険は国保以上に高いです。
法人化すれば、役員報酬を事業開始月から3ヶ月以内に決定しなければいけませんが、社会保険料は役員報酬の額に応じて決定されます。
そして、原則、1度決定したらその年は変更できません。下記の、平成29年9月からの東京都の社会保険料(月額)をご覧ください。
めちゃくちゃ高いですよね?
法人化で大切なのは、社会保険料を含めて個人事業より得になるかという点です。単純に利益1000万円というだけでしたら、個人事業と出て行く費用は下記の通り、あまり変わりません。
※役員報酬は50万円で設定
なので、法人化したら役員報酬が使えるから節税できるというわけではないんです。しっかり、社会保険料のことを考えておかないと本当に痛い目をみるだけです。
利益1000万円でも、役員報酬を60万に設定すれば、個人事業より損になる可能性だって出てきます。
法人化の役員報酬はいくらに設定したら良いのか?
では、いったい役員報酬はいくらに設定すれば、個人事業より得になるのか?ということですが、私は20万円~30万円が理想的だと考えています。
あくまでも、利益が1000万円程度の場合ですけどね。法人の場合、法人税などもろもろ含めた実効税率が利益に応じて変わってきます。
- 400万円以下:21.42%
- 800万円以下:23.20%
- 800万円超:33.80%
つまり、800万円をボーダーに10%も税率が変わってきますから、基本的に800万円以下に課税所得は抑えたほうがいいということになります。
では、利益1000万円の場合の、役員報酬別に各費用を比較してみましょう。
先程の個人事業で負担額が335万でしたから、役員報酬は20万~30万が最も節税できるということです。1500万になれば役員報酬は40万~50万がベストなのかもしれません。
もちろん、
- 家族を非常勤役員にして、役員報酬を社会保険の扶養内の年間130万円以下に抑える
- 生命保険に加入する
- セーフティ共済に加入する
これらを併用すれば、もっと節税できるので、役員報酬を下げて社会保険料を軽減もできます。
但し、注意が必要なのは、繰り返しになりますが、事業開始月から3ヶ月以内に役員報酬を決定しなければいけないという点です。
1月が事業開始月なら3/31までです。アフィリエイトの場合、3ヶ月で1年の利益を予想するのは非常に難しいのは言うまでもありません。
この予想次第で、役員報酬の額も大いに変わってきますが、利益が残った分はセーフティ共済や生保で圧縮すればいいので、強気に役員報酬を設定する必要はないと思います。
強気に攻めたものの、利益が予想より低く、社会保険料の負担が大き過ぎたとなれば、かなりきついですからね。
まとめ
法人化する際は、社会保険を考慮しないととにかくヤバイです。
税理士に相談すると、社会保険は高くしても将来、厚生年金で戻ってくるからそこまで気にする必要はないと言われるかもしれませんが、アフィリエイトの場合、そんな先の未来まで予測できません。
見れて5年程度でしょう。
私は老後資金として最初から厚生年金は除外して考えているので、できるだけ払いたくありません。
役員報酬が高すぎると、高額療養費制度の自己負担額が増えたり、公的補助を受けれなくなる可能性も高くなります。
なので、役員報酬額を決める上で、自分がどういうスタンスで生きていくかを決めることも大切です。
それと、兼業で法人化した場合の話ですが、兼業の場合も、サラリーマンとは別に社会保険を支払う必要がありますので、注意して下さい。
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