最近、若者の離職率が増加していることをご存知でしょうか?今流行りの上司からのパワハラや人間関係のもつれ、サービス残業だらけのブラック企業など理由は様々です。
ただ、中には仕事がなくて面白くないから会社をやめるという人も多いようです。
会社は人手が欲しいため採用するにも関わらず、その採用された人に仕事がないというのは一体どういうことなのでしょうか?
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実は私も仕事がなかった若者の一人です
4年制の大学を卒業後、ある企業に就職した私は上司2人というとても小さな部署に配属されました。一応資格がなければ勤まらない業務であり、比較的高めの倍率の採用試験を合格しました。
入社前に社長へ挨拶をした際、なぜか初対面で社長のお気に入りにされた私は入社式の新入職員代表挨拶をつとめました。
入社後も社長はたった3人しかいない事務室に毎日訪れるようになり、私の席の隣にパイプいすを持って来ては私と世間話を楽しんでいました。
社長が私たちの事務室に入るのを他の部署の職員もよく知っていました。そのため、私の上司は社長との繋がりが濃いということを他部署に自慢してまわっていました。
入社したばかりの私は出来る仕事が限られていたため、手の空いた暇な時間に社長が来ると時間がつぶれてラッキーでした。
社長は毎日ジュースやまんじゅう、お菓子にケーキなどの差し入れをしてくれました。そんな私も入社して半年が経ったある日、上司から新たな仕事を命じられました。取引先への営業活動です。
はじめは上司とお得意様への挨拶まわりから開始し、慣れてくると一人でもルート営業を行うようになりました。私が営業から帰ってると、いつも社長は差し入れを持って私の席の隣で待っているのでした。
しかし、ある日を境に営業活動が激減。会社の経営が悪化したのです。営業以外は事務室からほとんど出ることのない私は、仕事がなくなってしまいました。
会社の経営が悪くなったことにより、社長も銀行回りなどで多忙になり、事務室に訪れる回数は減っていきました。
毎日会社に出勤しても仕事がない私は時間を持て余すようになりました。
パソコンで上司にばれないようにインターネットで調べ物をしたり、しなくてもいいファイリングの整理をしたり、自分の出来ることを探しました。そんな手持無沙汰な私を上司は見透かしていたようです。
「暇だろ?」と冗談交じりにからかわれるようになりました。
上司は数少ない取引先への営業活動や資料作成などそれなりに仕事があるようで、毎日パソコンにかじりついていました。
そんな上司の隣で全くすることのない私は、次第に事務室にいるのがストレスになってきました。口には出しませんが、きっと上司は「こいつ仕事もしないで給料もらいやがって・・・」と思っていたことでしょう。
冷たい視線を感じたことは何度もありましたが、「何かすることありませんか?」と聞いても「いや、大丈夫かな。」とあしらわれていました。
きっと本当に私に頼む仕事はなかったのでしょう。以前は上司たちとの世間話で笑いあうこともありましたが、徐々に無駄口をたたく回数も減り、会社の経営不振に拍車がかかっているように感じていました。
そんなある日、他部署ではありますが唯一の同期と話す機会がありました。その同期も仕事がなく部署内で途方に暮れているようでした。
転職活動をすることに
そこで思い切って転職を考えることに。仕事がなくては自分が成長できませんし、会社にいる時間が人生の無駄な時間になってしまうのはもったいないです。
その上、いつ潰れるかわからないような会社にいても将来は見えません。実際に経営不振になってから会社を辞めた社員は結構な数いました。
私たちはまだ新卒2年目の可能性に満ちた若者です。やり直しはいくらでもきくだろうということで早速転職活動を開始しました。
まず、ハローワークに登録。自分の希望にあった職業を紹介してもらったり、自分でパソコンで調べたりしました。せっかく資格を取得していたのでそれが活かせるような業務で検索しました。
何社か面接を受けましたが、新卒2年目で転職を考えている私たちに世間は甘くありませんでした。やはり今の会社の退職理由を細かく聞かれることが多かったです。
それに社会人2年目で何の経験もない私たちが会社の即戦力になれないのはわかっていました。上司に秘密のまま続けていた転職活動も行き止まり、結局現状維持に落ち着いてしまいました。
付き合って3年目の彼にプロポーズをされたのはそんな時でした。彼は県外の人だったため、結婚と同時に私は会社を退職。念願の寿退職を果たしました。
結婚後はしばらく専業主婦をし、今はある会社の臨時職員として勤務しています。
臨時はお茶くみばかりのつまらない仕事だから前の会社の二の舞になると周りから止められていましたが、実際に働いてみるととても忙しい業務をこなしています。部署にもよるのでしょうが。
今まで時間が経つのが本当に遅かった勤務時間が、今ではあっというまに定時を迎えています。やはり若者で仕事がない日々は人間がだめになってしまいます。
私は実体験を通してそう学びました。
今は家事にも仕事にも追われてとても多忙ですが、その分やりがいのもてる日々を送れて大変充実しています。
私は運よく結婚という転職の機会に恵まれましたが、もし仕事がないことに悩んでいるのであればみなさんも一歩踏み出してみるといいでしょう。
仕事が変わればこんなにも人生は変わるのですから。
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