貿易ビジネスによって発生する事務処理をスピーディー且つ的確にさばいていく。
貿易事務とは一言で言えば、そんな仕事です。
これだけ聞くと、貿易事務に対してスマート且つクールな印象を抱く方も多いかもしれません。
しかしながら実際のところ、スマート且つクールに仕事をしている貿易事務は本当にごく一部。
常にバタバタ、ヒヤヒヤしながら仕事をしている人が多いのです。
決してどんな時であっても、スマート且つクールに仕事をしているわけではないのです。難しいところだって当然存在します。
そこで今回はそんな、貿易事務の仕事の難しいところ3つについてお話していきたいと思います。
①一言一句間違えてはならない
貿易事務の仕事の一つに、通関書類の作成という仕事があります。通関書類とは言わば、貿易ビジネスを行う上での根幹。
契約書同様、モノの運搬・引き渡し、品代回収に関わる非常に重要な書類なのです。
ここまで聞いただけでも通関書類を作成することの重みが伝わるかと思いますが、厄介な点はそれだけではありません。
文言を一言一句間違えてはならないのです。
つまり、ABC Trading Co., Ltd.と記載するよう指示があれば、大文字小文字を正確に記入するのは勿論、カンマやスペースに至るまで正確に記載するようにしなければならないのです。
実際、私の元職場ではこのカンマやスペースの誤りが原因で書類不備を指摘され、品代の回収に失敗した経験がありました。
損害額は何百万円。
たった一文字の誤りによって契約がパーとなってしまうのです。
通関書類の作成は、簡単に言えば、指示通りに正確に書類を作成するだけです。
しかしながらその正確にという部分が、これほどかというほど厳格なレベルなのです。
貿易事務の仕事の難しいところの代表格と言えるでしょう。
②同時進行で行わなければならない仕事が多い
貿易事務の仕事は、一つの作業だけに集中すればよいなんてことはないのが実態です。
先程挙げた通関書類の準備や作成をしながらも、モノの出来上がり状況のチェックや、手配中のコンテナ船のスケジュール状況等のチェック等々を同時に行っています。
しかもその同時進行とは、一つの案件に対しての同時進行ではありません。案件Aの仕事をしながら、全く別の案件Bや案件Cの仕事を行って行くのです。
そのため、慣れないうちは頭の中が混乱してしまうことも珍しくありません。
案件Aのモノの出来上がり状況をチェックしつつ、一方では案件Bのコンテナ船手配を進め、さらにもう一方では案件Cの輸送状況をチェックする・・・。
如何に自身で優先順位をつけ、スピーディーに仕事をこなしていくか。如何に案件ごとにやることリストを管理していくか。
貿易事務に求められるのは、そんな高度なスキルなのです。
同時進行で全く別の案件をさばいていかなければならない点も、精神的にも体力的にもきつく、難しいところなのです。
③トラブル発生時にも最前線で冷静に対応しなければならない
貿易ビジネスということもあり、相手は当然ながら外国です。
ゆえに、国内ビジネスでは考えられないようなトラブルに遭遇することは日常茶飯事であり、貿易事務担当者がそのトラブルを解決させなければならないことも多いです。
例えば納期遅延トラブル。
仕入れトラブルにより顧客への搬入が遅延してしまうため、輸送方法を変えなければならない状況はよくあります。
そのような時、貿易事務が自ら別の船での輸送を提案したり、再度輸送費用の見積もりを取ったりすることが求められるのです。
トラブルが起きたことを営業担当者に報告してハイ終わりなんてことはありません。
トラブルが発生した時こそ、貿易事務が冷静に状況を判断し、打開策を営業担当者共に練ることが求められるのです。
冒頭申し上げた、貿易事務が常にバタバタ、ヒヤヒヤしていることが多いというのはまさにこれが要因です。
貿易事務にも、最前線でトラブル発生時にも対応を求められるからなのです。
営業担当者の後ろに隠れて、言われたとおりに仕事をしていては貿易事務としては失格。
貿易事務は、頻繁に発生する予測不能なトラブルに対して、最前線に立って冷静に対応しなければならないのです。
まさに、貿易事務の仕事の難しいところでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
貿易事務の仕事とは、スマート且つクールにできる仕事ばかりではないのです。
外国を相手にしていることもあり、難しい仕事や役割を担いながら、常にバタバタ、ヒヤヒヤしていることは多いのです。
書類の文言は一言一句間違えられない。同時進行で仕事を進めていかなければならない。そしてトラブル発生時にも最前線に立って冷静に対応しなければならない。
華やかなイメージのある貿易事務ではありますが、このような難しい点は存在するのです。
貿易事務に興味のある人は、決して貿易事務の仕事を華やかなイメージだけで決めつけないでくださいね。
華やかなイメージのまま入社を決めてしまうと、入社後大変な失敗をしてしまいますよ?
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