現在は、昔と違って、新卒で入社した会社で定年を迎える人よりも、転職をする人が多いかもしれません。
その中で、一度辞めた会社に戻りたいと考える人もいるかもしれません。それは可能か、考えてみましょう。
今は、一生の間に複数の会社に勤める人も多いですよね。会社や自分の状況によっては、無理に勤務し続けるよりも、転職することが解決となることも多いでしょう。
もし、あなたが一度辞めて他の会社に転職したり、休職したりした後、もう一度元の会社に戻りたいと考えたとしたら、それは虫がいい話かもしれないと悩むかもしれません。
ですが、実際のところは、どうなのでしょうか?まず、前の会社を辞めた理由や事情によります。
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結婚・出産で退職した場合
例えば、昔は多くの女性が結婚・出産で退職していました。
しかし、子育てが一段落したら復職する女性が多く、女性の就業者の割合は、20代と40代にピークのあるM字カーブを描いています。
昔は、元の職業に戻るのも難しく、40代以降の女性の再就職先は、パート業が多かったのです。しかし最近は、優秀で実力のある女性の労働力を企業が重要視し、例え出産で退職しても、「いつでも戻って欲しい」と考える企業が増えてきました。
託児所や保育所、育児休暇の取りやすさなど、育児に関するサポート体制の充実も、国と企業がもっと取り組むべき課題です。
会社において、人件費はもっとも大きな出費の一つです。優秀な人材を確保することが、会社の将来を左右するといっても過言ではありません。
優秀と分かっていて、事情があって退職した社員が復帰してくれるのなら、新人のように時間をかけて教育する必要もなく即戦力となるので、大助かりです。
介護を理由に退職した場合
最近増えつつあるのが、介護による離職です。親や配偶者などの介護が必要となり、やむなく退職するケースです。私が所属していた勤務先でも、数人の女性社員が、介護を理由に退職しました。
これは、企業や国にも、介護をサポートする体制を充実させ、労働者が退職しなくても良い仕組みを作る必要があります。
しかし、現実問題として、家族(特に女性)がその負担を強いられている状況です。この場合も、会社側は、優秀で経験の豊富な社員には、「いつでも戻ってきて欲しい」と考えています。
「介護と仕事の両立で、会社や職場に迷惑をかけた」「今更、戻れない」と考える必要はありません。むしろ、今後そのような問題は多くなるはずなので、国民全体の問題としてとらえるべきです。
そのことが、新たなサポートの体制づくりにも貢献することとなります。
会社の方針や人間関係が理由で退職した場合
他の退職の理由として、会社の方針や職場の人間関係が挙げられます。私が以前勤務していた会社にも、そのような理由で転職してきた社員がいました。
そして、数年在籍しましたが、その原因が解消された(原因となる社員がいなくなった)ので、元の会社に戻ったことがあります。
その社員は、頼んだ仕事をすぐに的確にこなしてくれるので、辞めて欲しくはなかったのです。また、周囲への配慮もあり、いて欲しい人材でした。
しかし、こちらが必要としているように、元の会社でも、「できれば戻って来て欲しい」と考えていたと思われます。
また、会社の方針や職場の人間関係とも重なるかもしれませんが、うつ病などの精神的な理由で退職・休職する人が増えています。
この場合は、あなたが「戻りたい」と考え、会社側も「戻ってきて欲しい」と考えていたとしても、そうすることでうつ病が再発する可能性があるので、難しい問題です。
まず、うつ病となった原因の職場環境などが解消されているかどうかが重要です。うつ病となる人は、まじめで勤勉な人が多いので、休職していることに罪悪感を感じるかもしれませんが、焦って再発しては、元も子もありません。
企業の方も、うつ病に対する理解と職場環境の改善が重要です。未だに、「うつ病になる人は、気持ちの問題」と考える化石のような人がいるのです。
そういう無神経でわがままな人は、うつ病にならないかもしれませんが、物事を深く多方面から考えられるまじめな人が、うつ病になりやすいのです。
つまり、他の人にできない仕事ができるような人がうつ病になるので、企業も、真剣に取り組むべきです。
さらに、うつ病で休職・退職した社員が復職するときの体制づくりも重要です。何もしないで休職していた時は、一時的に症状が良くなっても、急に元通り復職すると、悪化することが多いのです。
徐々に復職できるシステムが必要です。例えば週に1回、三時間程度の勤務から、徐々に勤務時間を増やすといったスケジュールが好ましいのです。
うつ病の時は、定時に起床して、電車に乗って出勤し、机に向かって座っているだけで、疲れるのです。
うつ病以外にも、精神的・身体的な理由で、フルタイムの勤務が大変なので退職した人についても、柔軟な勤務体制が必要となってきます。
例えば週に三日の勤務体制や、在宅業務をメインにするとか、勤務時間を短縮するといった勤務体制は、子育てや介護、長期療養と両立するのに役立ちます。
会社側も、優秀な人材に育児や介護を理由に退職されるよりは、例え勤務時間が短くても、在籍し続けて欲しいところです。
以前に勤務していたチームの優秀な女性が、普段在宅勤務で、家事育児をこなしながらPCとメールで仕事をし、週に何回か出勤するという形で勤務していました。このような体制が広がるべきです。
まとめ
現在は、雇用形態も勤務形態も多様化しています。仕事をしたい人と、仕事をして欲しい会社の要望が一致すれば、元の会社に戻るという選択肢もありえます。
それと同時に、職場環境の改善と、育児や介護などのサポート体制の充実、勤務形態の柔軟性も必要となってきます。
仕事をする意志と能力のある人が働きやすい環境にすることによって、国と会社の将来が左右されるのです。
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